あゝ寂し
あゝ。寂しい。
何がって?それは私が知りたいのです。
あゝ。寂しい。
何処がって?きっと心って呼ばれる部分がです。
秋だから?冬だから?寒いから?
いいえ、そうではありません。
きっとこれは、春でも。夏でも。暑くても。
きっとふっと寂しくなるのです。そんな気がするのです。
心は胸でしょうか。心は頭でしょうか。心は身体中でしょうか。
きっと全て違います。何故かって?
心は私のずっと深くに座って、私を寂しくさせているような気がするからです。
何故でしょう。私は何も口惜しいことはありません。
何故でしょう。私には特に辛いことはありません。
では、何故なんでしょうか。
何処でしょう。心が胸じゃ無いなら?
何処でしょう。心が頭じゃ無いなら?
一体全体何処なんでしょう。
ええ、私は知っています。
でも、それは何故寂しくなるのか。心が何処なのかではありません。
私が知っているのは何故私が寂しくなる理由が分からないかを。心が何処かが分からないかを。です。
きっと、それが分かってしまえば、私が寂しい原因を壊すでしょう。
そうすれば、寂しく無いのですから。
きっと、それが分かってしまえば、大人たちは私から私の心を取り外そうとするでしょう。
そうすれば、寂しく無いのですから。
でも、私は知っています。
寂しくなくなってしまえば、私はきっと私ではありません。そしてきっと成長することができません。