■霊術(エレジー)■
おそらく「魔法」という言葉で日本人がイメージするものに、一番近い魔法です。
聖炎という純粋な魔力の光を生み出し、その波動をコントロールすることによって、様々な奇跡を起こします。中でも、回復・治癒・強化などに特化しています。
魔術と違い、術者は複雑な理論や術式を理解する必要はありません。強い願いとイメージのみで魔法を発動させます。その強さと純粋さが――ようは思い込みの強さが霊術の強さになります。
そのために、プロセスに余計な思考をはさみがちな、合理的思考の強い人は、霊術は向いていないとされます。実際、魔術と霊術を両方扱える術者は非常に稀です。
それはともかく、原理だけなら魔術であらかた解明されています。ただし、中には魔術で再現不可能なものもあります。
以下、代表的な霊術を紹介します。
【一般霊術】
聖炎が出せるのであれば、
良い師について充分な修練を積めば習得可能な霊術。
おおまかに下にいくほど難しくなる。
■打撃強化
己が放つ打撃に魔力の衝撃を込める。霊術の初歩の初歩。
熟達すれば武器に乗せることも可能。ただし強化されるのは打撃のみ。
■体力回復
対象の体力を回復させる。怪我の再生速度も早める。魔力の回復は早まらない。
■治癒
怪我を治す。欠損部位の再生や、失った臓器の再生などはできない。
■灯光
周囲を明るく照らす。
■解毒
体内を蝕む有害な物質を排除する。毒、ばい菌などに有効。
害悪魔力と病魔には効果がない。
■瞑想
聖炎を全身にまとって己の魔力を回復。
■魔力撹乱
魔力の働きを封じる。対象指定。
敵の魔法を封じ込めることも、味方にかかった魔法や呪いを解くこともできる。
ただし抵抗は可能。
■肉体強化
己の肉体を強化し、運動力と生命力を一時的に上げる。
■聖盾
強固な幻想の盾で敵の攻撃を防ぐ。魔法に大しても有効。
■祝福
味方に運動能力・集中力強化の祝福。魔法防御も微上昇。
■火炎
眼前に炎を出現させ焼き払う。カカメン。
これが使えるなら霊術の腕前は最高位と見ていい。
■電撃
対象に電気ショックを与え麻痺させる。
魔力が高ければ丸焦げにすることもできる。
まれに心肺蘇生に使う術者もいる。
【上級霊術】
修得に特別な才能が必要と言われている霊術。
全5種をすべて扱える人間は伝説にも存在しない。
■魔力回復
他人の魔力を回復させる。リフレシュ。
上級霊術の中では一番微妙とされているが、とある病の唯一の対抗策。
■速力上昇
対象の体感時間を遅くし、相対的な速力を上げる。ヘイスト。
自分に使える術者はさらに限られる。
■肉体再生 (癒やしの御手)
対象の身体的欠損を再生させる。マディ。
エリシャは生まれつきこれ(のみ)が使える。
■聖刃
鋭い幻想の刃で対象を切り裂く。FEのエクスカリバー。
実体を持たない相手に対しても有効。
■聖光
対象を強力な光の魔力で包んで攻撃。
物理的には衝撃と熱を発生させるが、精神にも特大ダメージ。
抵抗はまず不可能。対象が人間なら廃人になる。
【最上級霊術】
伝説にのみ登場。現在、使える人間はいない。
■死者蘇生
肉体を再生させ、霧散する魂をつなぎとめる。
■絶対魔封
周囲のすべての魔力の働きを完全に封じる。抵抗は不可能。