そんなのお約束だよね!
「疲れた…なぁ、俺変じゃなかった?
大丈夫だった?しゃべってがっかりとかしてなかった?」
晩餐会後、魔王の寝室までお供する私に魔王の質問攻めが来る。
うざい。
最高にうざい。
傍目からはいい雰囲気に見えたが、あえてそんなことは言ってやりたくない。調子に乗るから。
「デザートのプチマカロンタワーが一番喜んでましたね。
満面の笑みで可愛かったですね。」
「ぐっ…確かに一番いい笑顔だった…俺はマカロン以下か…」
とたんにしゅんとなる魔王。
女、子どもがすればキュンとなる姿だが、あいにくそれをするのは女神も裸足で逃げ出すような美形の魔王。
美しすぎて腹立ちしか覚えない。
そんなこんなで魔王の寝室までやって来た。
大浴場に入ってパジャマで戻ってきた魔王はもはや寝るだけ。
「ではご苦労。また明日な。」
「いい夢を。」
扉を閉めて待つこと30秒。
ばーんと扉が開かれた。
赤くなったり青くなったりしながら魔王は言った。
「ひ…姫がっ!姫が俺のベットに寝てる!!!!!!」
「とっとと既成事実作ってくださいよ。」
「心の準備がっ!」
「乙女か!」
しばらく不毛な争いは続いたが、宰相を呼んでくるぞゴラァ!という説得で魔王はすごすごと寝室に戻って行ったのだった。
やれやれ、です。