王妃様、レベル1
「姫…綺麗ですわ。」
チェルシーは胸がいっぱいだった。
目の前には婚礼衣装に身を包むミルキー姫。
幼い頃から身を寄せあってきた。
王の捨てられた庶子と魔力が異常に高く化け物と恐れられた自分。
女傑の王妃はそんな二人を厳しくも優しく育ててくれた。
姫ほどに真っ直ぐではなかった自分が、道を誤ることなく、腐らず生きてこれたのは、存在の意味を見失わずにすんだのはミルキーが居たから。
「チェル…私、嬉しいのに怖い。」
ポツリとミルキー姫がこぼす。
昔の愛称で呼ばれるのなど久しぶりだった。
「ミー、大丈夫。
もしも魔王が貴女を泣かせたら、私が簀巻きにして吊し上げるから。
毎日幸福なんてあり得ないものだって私達知ってるじゃない。
不幸や悲しみ、苦しみがあるから幸せって思えるのよ。」
「うん、そうだね…
私、頑張るわ。魔王を幸せにしてみせる。」
「普通ね、相手かたの言う台詞じゃない?
まぁ、いいんじゃない?お互い大事にしあえばいいことよ。」
クスクス笑い合う二人。
ノックの音がして、二人は気持ちを切り替えた。
「では、参りますわ。チェルシー。」
「はい、魔王妃殿下。」
背筋を伸ばした二人は扉の向こうへと一歩踏み出した。
先に待つのは幸福、だけではない。
苦難もすれ違いもあるかもしれない。
種族間の違い問題も出てくるかもしれない。
それでも、進むと決めたのだ。
王妃様、レベル1。
ミルキーの人生は始まったばかりだ。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
二人の冒険は始まったばかり。
物語は生まれていくと思いますが、ひとまずここで一区切り。
完結できたこと嬉しく思います。
番外編等思い浮かんだらまたあげたいと思っています。
チェルシーとキッシュの今後とか。
ハインツ君の恋とか。
皆様、ありがとうございました(*^▽^*)




