そして夜が明ける。2
「おはようございます、チェルシー殿。」
「おはようございます、キッシュ様。
昨日はありがとうございました。」
昨日と同じ時間に魔王と姫君の寝室に行くと、丁度よくチェルシー殿もやって来た。
スッキリした顔をしている。十分な休日をとれたようで何よりである。
「婚姻の儀までは、普段のような休みが取れませんが、調整はある程度できますので遠慮せずに言ってくださいね。」
「お心遣い感謝しますわ。
まぁ、姫様が復活の呪文を唱える事態にならなければいいのですが…」
「…すいません…うちの魔王は筋金入りのヘタレなので…」
姫君の身の安全のためにも魔王がいちゃラブすりゃあいいのだけれど、あのヘタレのこじらせ男子はそれすらできない純情派なのだ。
本当に外見詐欺も甚だしい。
昨日の様子を近衛騎士に聞いたが大笑いだった。
いい酒の肴だった。
グッジョブヘタレ!!!!!
「私、思いましたの。
魔王様に頼るのはやめようと思います。」
キリッとチェルシー殿が言う。
女性はいつの世も逞しい。一体どんな考えなのだろうか。
「姫様をどうにかしますわ!!!!!!」
「……………」
「……………」
暫しの沈黙ののち、目をそらしながらチェルシー殿が呟いた。
「魔王に期待するよりは…ですわ。
ダメで元々ですわ…」
「いざとなれば媚薬でもなんでも用意しますので。」
私も遠い目で応じる。
魔王と姫君の明日はどっちだ。




