軽く夢展開なのに。
真っ白になった魔王をこっそりどつくと、
「おはよう。」
と簡単すぎる挨拶を姫君にした。
やる気のない態度である。
そのままノロノロとテーブルにつく。
姫君も魔王のむかいに…でなく、何故か魔王の方へ向かっていった。
魔王はボーッとしたままでスープに手を伸ばす。
スプーンですくったスープは、魔王の手を取った姫君の口におさまった。
「えっ」
「失礼しますね、よいしょ…っと。」
流れるような動きで姫君は魔王からスプーンを奪うとその膝に乗り、自らスープをすくい、笑顔でおっしゃった。
「魔王様、あーん。」
ぶごうっと、私と宰相が飲み物を吹き出しかけた。
ヤバイ、鼻にいった…痛い。
魔王は固まってる。
反応の無い魔王の口元に姫君がスプーンを近付けると、カパリと口があきスープを飲む。
姫君はニコニコしている。
そして、パンにも手を伸ばし、小さくちぎった姫君は口にいれ美味しい~と言った後大きめにちぎったパンを魔王に差し出す。
「魔王様、あーん。」
パクリ。むしゃむしゃ。
私と宰相唖然としてそれを見守った。
魔王よ、ある種の夢展開にその無表情はどうなの。
なまじ美形だけにけっこう怖い。
そんな中、事件は起きた。
姫君がサラダを口に入れた瞬間、さっと顔色を変えチェルシー殿に言った。
「黄色いやつ!コブウッ!!!!!!」
姫君が、吐血した。
皿が魔王が血塗れになる。
「毒ですか。」
チェルシー殿ののんびりとした声が食堂に妙に響いた。




