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the白雪姫〜燃えよ上腕二頭筋、喉の中のぷるんぷるんなアレ〜

作者: にぼし

春休みから書き続け、ようやく投稿にこぎつけました。内容は酷いです、小学生の頃のオリジナル劇の台本のリメイクですから…

 どこかにあるアパートに、金髪に西洋風の顔立ち、マニアからウケの良い性格をした白雪姫という、しょーもない女の人が住んでいました。チャームポイント、たくましい上腕二頭筋。

 白雪姫はクッチャネクッチャネの毎日を送り、テレフォンショッピングにハマったり、ネット通販にハマったりと、これまたしょーもない人間でした。

 これは買いだわ。と言い、すべ〜るフライパンセット、三千円の三千回払いを買った事もあります。詐欺です。

 昔はどこかの王子様と幸せに暮らしていましたが、焼き鳥は塩派かタレ派かで口論し、挙げ句の果て王子はただの八王子の人と分かり、別れてしまいました。

「はぁ、毎日のエナジードリンク代もバカにならないなぁ」

 今の白雪姫の口癖です。

 これは白雪姫のもう1つの物語、魔女に毒りんごを貰わなかったお話です。


「まだ届かないのかねぇ、あちきの蒟蒻ゼリー」


 〈〈ピンポーン


 おや、白雪姫のアパートに誰か来たようです。

「はいはい、今出ますよ」

 ジャージ姿、万年床で寝転がっていた白雪姫は、「よっこいしょういち」と言って立ち上がり、印鑑を探してから玄関を開けます。また通販でしょうか。

「ちぃーっす、白雪姫さんちぃーっす。こびとっす、夜露死苦!」

「帰れ」

 白雪姫は玄関を閉めました。外にいたのは7人のこびと、全員グラサンをつけ、何やらガムのようなものを噛んでいました。絡みづらかったのでしょう、白雪姫はその一言しか発しませんでした。

「あぁーないわー、グラサンとかないわー似合わんわー」

 と言うと、玄関が勝手に開き、

「ちょい待てグラサンを悪く言う–––」ガチャン。

 今度は鍵も閉めました。

「チッ…、宅急便だと思ったのに…」

 見ての通り性格が悪いです。一体どんな風に育ったのでしょう。

 白雪姫はがっかりし、再び万年床に戻ると、リラックスのために好物の蒟蒻ゼリーを食べようと、枕元に置いてあるクーラーボックスに手を伸ばします。

「ん? あれ? 何だとぉっ↑!? あちきの蒟蒻ゼリーがない!!!?? ガッデム!!!」

 やけにテンションの高い白雪姫は、万年床の上で芋虫のごとくウネウネします。


 〈〈ピンポーン


 すると、再びチャイムが鳴ります。今度こそ宅急便でしょうか、白雪姫は蒟蒻ゼリーショックのあまり尺取虫のようにをして玄関へ向かいます。

 5分ほどして玄関にたどり着き、立ち上がって閉めていた鍵を開け、お尻をポリポリと掻きながら白雪姫は扉を開けます。

「はいよーナンジャラホイ」

 5分待たせてこの態度、お客さんはきっと帰っているはず。

「お荷物のお届けに参りましたぁー。ここにサインか判子をお願いしまぁーす」

 いました。しかもやけに笑顔です。5分も待たされたのに、一体どうしたことでしょう。宅急便のお兄さんは仕事を続けます。

「じゃサインで」

 お兄さんから渡されたペンで、サラサラと白雪姫はサインをします。

 『シンデレラ』

「はぁーいどうもー。……シンデレラて、てか字汚っ」

 白雪姫とは偽名でした。しかも外国人ではありません。実家はアメリカ村の近くで、日本人ではなく関西人と言い張っています。因みに好物はこのわたです。

 しかし、字が汚いと言われて喧嘩っ早いこの人が黙っているはずありません。

「失礼だな。許せぬ!」

 と、白雪姫は平手打ちをかまします。なぜか宅配の人は笑顔です。そう、この人はドMです。待たされていた5分間も、焦らしだと思って待っていたのです。

「あっ、もっと…」

「うるさい適当に荷物置いて帰れ」

 白雪姫は冷たく言い放ちます。もうこのドMと関わり合いたくないのでしょう、手でシッシ、としています。

 しかし、ドMさんはそんな事では満足できません。焦らされてイライラが募り、部屋の奥に適当に荷物を投げ込みました。

「おいコラなめとんのか!」

 シンデレラさんはおっさんのように怒鳴ります。

「あぁ、もっと…」ガチャン!

 白雪姫は勢いよく扉を閉めました。

「ったく、日本語もわからんのか。こういうのを『覆水盆に返らず』っていうんだよ」

 白雪姫はバカでした。学校の国語評価は5段階中2、完璧だったのは体育だけでした。ここぞとばかりに白雪姫はマッスルポーズをキメます。

「マッスル!」

 脳も筋肉で出来ている事がわかりますね。可哀想な白雪姫。


 〜〜〜〜〜〜〜10分後


 一通りマッスルポーズが終了し、白雪姫はようやく投げ込まれた通販の段ボールに触れます。中身はなんでしょう。ガムテープをバリバリと剥がし、中身を確認します。

「ぬおっ! あちきの蒟蒻ゼリー!!! わっほい!」

 白雪姫は嬉しさのあまり、その場でエアエキスパンダーをします。脳筋…。

 さてさて白雪姫、大好きな蒟蒻ゼリーが届いて大喜び。袋をちからずくで破き、中身を一個取り出します。

「やっと会えたね蒟蒻ゼリー、君はあちきに食べられる為に作られたのだよ。…ん? なんだこれ」

 と白雪姫は何かを見つけます。それは袋に書かれた注意書きでした。白雪姫はガサツなので、当然こんなものを読んだ事がありません。生まれて初めて、白雪姫は注意書きを読みます。

「なになに〜、喉に詰まらせないよう、十分に咀嚼してください?」

 そう、蒟蒻ゼリーではお馴染みです。しかし、白雪姫はそんな事を気にするような人間ではありません。

「はんっ! こんなの喉に詰まらせる人なんかいないよ!」

 と言って蓋を開け、蒟蒻ゼリー「干し貝柱味」を口に丸々放り込みます。

「うぐっ…!?」

 おや、白雪姫の様子がおかしいです。まるで何かが喉に詰まったかのように苦しみ始めます。まさか…

 白雪姫は万年床でゴロゴロとのたうちまわり、

「う、…う、う…うまい! テーレッテレー!」

 と言ってマッスルポーズをキメました。上腕二頭筋! 人騒がせな人です。

「はぁうまい。もう一個」

 白雪姫は再び蒟蒻ゼリーを口に放り込みます。

「……ゔ…、ぐぇぇ」

 再び苦しみ始める白雪姫、今度は先ほどとは違い、ただならぬ表情で苦しみます。次第に顔色が悪くなるのを見る限り、本当に詰まらせたのでしょう。

 哀れ白雪姫。何か言い残すことはありますか?

「上腕二頭筋…万歳…」

 最後の言葉を残し、白雪姫はバタリと倒れてしまいました。

                     完



 〈〈ピンポーン


 おや、空気を読まずに誰かが来たようです。まだ私はナレーターの職を失わないでいいようですね。

 ですが、白雪姫は倒れてしまい返事ができません。このままでは私の仕事が…、もとい話が終わってしまいます。

 しかし、それは無駄な心配でした。勢いよく扉が開き、誰かはズカズカと部屋に入ってきました。訪ねて来たのは例の八王子の彼です。

「白雪姫ちゃぁ〜ん! 王子様がやってきたぞ〜」

 別れてからも白雪姫の事が好きな八王子様、ストーカー紛いの行為を働き、警察のお世話になったこともありました。そんな彼が何の用でしょう。

 八王子様の手にはスーパーの袋、中身は亡き白雪姫の好物です。

「このわた、買ってきたよぉん。……ハッ!? な、なんで…」

 八王子様は驚き、目の前の状況を受け入れられずにいます。ストーカーをするほど好きな白雪姫が倒れている、八王子様は慌てて白雪姫に駆け寄ります。

「おい起きろ、しっかりしろぉ!」

 八王子はなんとか白雪姫を助けようとします。幸いまだ息はあるようで、もしかすると助かるかもしれません。

「起きろ! 起きろ! 目を覚ませ!」

 八王子は白雪姫の顔を引っ叩きます。

 1発、2発、3発。往復でビシンバシン、白雪姫は目を覚ましません。

「オラッ! コノヤロッ! くたばれっ!」

 連打連打、くたばれまで言って、遂にはグーで殴り始めます。パニック状態だったのでしょう、白雪姫の顔は1.5倍増量です。

 すると八王子様、白雪姫から何かが抜けるのを感じます。

「嘘だ…、さっきまで生きてたのに死んでる…。何でだ…」

 呆然と立ち尽くす八王子様、あなたの所為です。

 ストーキングする相手を失い、八王子様の目は光を失っています。もうこの人に希望ストーキングはないのです。白雪姫を抱き、涙を流す八王子様。

「あぁ、もう僕はダメだ。生きててもしょうがない、このまま白雪姫と–––蒟蒻ゼリーじゃないか!」

 蒟蒻ゼリーを見つけてテンションがマックスになる八王子様。白雪姫をタンスに投げつけ、蒟蒻ゼリーが大量に入ったダンボール箱に飛びつきます。

 この人も蒟蒻ゼリーが大好きだったのです。2人が出会ったきっかけも蒟蒻ゼリーのライブイベント「蒟蒻フィーバー」で、八王子様は中学高校ともに蒟蒻部のキャプテンでした。

 蒟蒻ゼリー愛なら誰にも負けない八王子様。亡き白雪姫なんて御構い無し、蒟蒻ゼリー「熟成牛タン味」の袋を破り、それを1つ食べようとした時、袋に何かを見つけます。

「ん、なになに? 喉に詰まらせないよう、十分に…ふにゃらふにゃふにゃしてください?」

 八王子様は咀嚼が読めませんでした。まあどうでもいいかと開き直り、それを口に放り込みます。

「うんうん…、うぐっ…!?」

 どこかで見たことのあるシュチュエーション、自分の首を絞めるかのようにし、八王子様は苦しみます。どうせうまい! テーレッテレー! でしょう。

「う、う…、うまい! さすが1年もの!」

 …ナレーターの私も疲れてきました。この人たちには付き合いきれません。お金を貰えなければもう辞めています。誰か私を雇ってください。

 まあ、最後まで仕事はしますよ。給料いいですから。

 さてさて八王子様、蒟蒻ゼリー「熟成牛タン味」に舌鼓。再びダンボール箱を漁り、今度は「もずく酢味」の袋を破ります。

「1個だけなら白雪姫にもバレないよね」

 2個目です。そして既に白雪姫は八王子様の手によりトドメを刺されています。バレるも何もありません。その2個目の蒟蒻ゼリーを口に放り込みます。

 すると八王子様は、あまりの美味しさのあまり阿波踊りをし始めました。そんな事をしていると…

「ゔ…、ゔぐふぅ……、ぐ、ぐるじぃ…」

 案の定、八王子様の喉に蒟蒻ゼリーが詰まりました。苦しむ姿は白雪姫と同じなので、カット。

「ガッド…ヤメテェ…グェェェ」

 ………、ストーカー野郎は息苦しさに悶え、どんどん顔色が悪くなっていきます。(仕事って大変ですね)

 さてストーカー野郎、何か言い残すことは?

「死ぬ時は…おもちを喉に詰まらせたかった…」

 似たようなものです。ゆっくりとストーカー野郎は息を引き取ります、ご愁傷様でした。

 プチ死屍累々、白雪姫のアパートは喉を詰まらせた死体がゴロンと2体、2人とも呆気ない最期を迎えました。

  死因

   白雪姫(本名 シ・ンデレラ) 殴られた

   八王子(本名 山田 田吾作) 喉詰めた

 こうして、白雪姫と八王子様はいつまでも一緒に暮らしました。めでたしめでた––––

「おいこら白雪姫ぇぇぇ!」

 いきなり玄関の扉が壊され、7人分の怒号が飛んできます。そう、7人のこびと達です。グラサンを馬鹿にされて腹が立っていたのでしょう、全員鬼のような形相をしています。

 復讐にやって来た彼らはそれぞれ槍やハンマーを持ち、内2人はガソリンとライターを持っていました。

 しかし、部屋には上腕二頭筋とストーカーの死体、彼らは自らの手で復讐を果たすことができません。

 白雪姫の死体を見つけると、こびと達は驚き、一瞬のフリーズの後、こびと達のリーダー格が腰に手を当て、

「うわっほい、なんか知らんけどやったぜ!」

 こびと達はキャーキャー言って喜びました。自分達で復讐できなくてもよかったようです。

 そしてこびと達のリーダーは持っていた槍を白雪姫に刺し、

「よっしゃお前ら、予定とは違うけどこの部屋燃やすぞ! 夜露死苦!」

 それを受け、残りの6人も夜露死苦ー! と言って白雪姫の死体と部屋にガソリンをかけます。ついでに八王子にも。

 そしてややあってガソリンをまんべんなくかけ終わると、部屋から出て火のついたライターを投げ込もうとします。掛け声はもちろん、

「夜露死苦ー!」

 夜露死苦ー! ライターの火はどんどん燃え移り、白雪姫の住む部屋は丸焼きになります。中にいた2人(死体)は派手な火葬により、跡形もなく燃え尽きてしまいました。

 こうして、7人のこびと達の復讐は終わりました。めでたしめでたし。


 次回、どすこい7人のこびと「お手拭きは顔を拭くもの」お楽しみに!

この作品の蒟蒻ゼリーは、実際にある蒟蒻ゼリーとは関係ありません。

長い時間をかけたのに、このクオリティはないですよね、申し訳ないです。


あ、どすこい7人のこびと「お手拭きは顔を拭くもの」は書きません(笑)

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