75輪
どんより雲を出すかの如く、僕は落ち込んでいる
美咲さんは気づいたのか僕に話しかけに来てくれた
「広野江君?大丈夫?調子悪いの?」
「ううん、そうじゃなくて………美咲さん」
「なぁに?」
「僕って…………………………………
Mなのかなぁ?」
……………間
「えっ?」
「さっき、阿比王に蹴られて慰められたら少しドキッ!ってしたし、僕が不調の時は大抵阿比王が暴力奮って治してるみたいなもんだし……」
「えっと、広野江君?」
「僕はノーマルだと思っていたのにッ!!自分自身に裏切られた感満載でッ!!」
「広野江君………もしかしたらそれって…… 」
「えっ!?」
――――――――――――
不覚だ!!一理あるケド不覚だッ!!
まぁ、Mじゃないことは嬉しいんだけど!でもだからってッ!!
「(何も阿比王に憧れることないだろぉぉぉぉぉおぉぉッ!!)」
―――――――――――
~瀧月side~
「さっきら広野江達が騒がしいっすね」
「まぁ、元気ならそれが一番だがな」
「そうっすけど……」
広野江に感じた第一印象は『普通』だった。美咲は『優しそう』で亜矢椿先輩は『強い』って感じだった
前者を除く後者二名は事実そうだったが……
広野江は違った。一概に何がどう違うとは言い表せないケド、そう何かが違うんだ。産まれた時からのアイツの環境がそうさせたのか、もしくは……
「(アイツに流れる広野江の因果がそうさせるのか……)」
見極めないといけない
~瀧月side end~




