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7輪


『どうした!!』


『結界がっ!!』


『あはは、君達じゃあ僕には勝てないよ。ここで一緒に』


『眠らせろ!』


『はい!!』


『その程度の術で僕を黙らせるとでも?笑わせてくれるね……………愚かなる人間達よ』


綺良姫結晶華によって見せられたこの地下室での出来事、とてもじゃないけど辛く苦しかった。


だが、誰も目をそらすことなく見続けていた。


全てが終わるとまだ夢見心地の気分と、心にのし掛かる気持ち悪い何か……


「今のが、ここであった出来事……」


「のほんの一部だな」


「なっ!?」


阿比王は今のがほんの一部だと言った。壮絶な過去がほんの一部


ならいったい……


「よく見てみな、このおびただしい草花の数」


阿比王に言われて松明でソコを照らすと、綺良姫結晶華の草花が沢山あった


「これは……」


美咲さんが綺良姫結晶華に触れようとした時、亜矢椿先輩がその手に触れた


「莉緒ダメだ……また今さっきの様な壮絶な過去を見るかも知れないのだぞ」


「それはないな」


「何?」


「本来この術は術者もしくは術者の血縁者が触れた場合にのみ過去が見れるんだ」


「えっ?でも……」


そう、教科書にはそんなこと書いていなかった。綺良姫結晶華に触れれば過去を見るコトが出来るとしか……


「後々の奴らが改良に改良を重ねて出来た劣化版が今のお前達が知っている術だ。原本はこの草花だ。改良を重ねて誰にでも出来る様にしたかったみたいだが、それでも不完全3人に完全1人だ。しかも、改良し過ぎたせいで触れた相手は誰でもいいってことになる位な……」


「随分とこの術に詳しいンだな」


亜矢椿先輩が鋭く切り込むが、阿比王はどこ吹く風


しまいには、「もう一度ノートをよく見ろ。そうすれば誰が捕らえられていたかわかるハズだ」と言ってそれ以上は話さなかった


仕方がないのでノートを最初からみたが名前はドコにもない


「載ってないな……」


「こう言う場合って名前とか書く欄に載ってたりして」


「まさか~」


自棄になってノートを閉じると載っていた。


「マジで、うわぁ~」


「コレを記していたヤツはどうやら頭の思考回路が瀧月と同じだったようだな」


「椿ちゃん!」


まぁ、亜矢椿先輩が言いたいことはわかるが、とりあえず名前を見てみた


ノートのタイトル欄には『観察録』





この時、知るべきだったのだろうか?





見なければ、知らなければ良かったと後悔は(少し)した








だって名前の欄には………










     『陽日鎖』






と記されていたのだから……



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