6輪
牢屋に触れると、牢屋の格子はすんなりと開いた
僕達は興味本意で牢屋に入ると、まず目についたのが、鎖のついた手錠だった
鎖のついた手錠をつけると、人が壁に腰かけて座ることが出来、腕だけが挙がった状態になるという、まるで拷問部屋の様な所だった
「これって……」
「人を捕らえておく牢屋ってより、まるで拷問部屋だな」
瀧月君も冷や汗を流しながらそう言う
僕は一歩後ろに下がるといきなり景色が変わった
「なっ!?」
「一体何がッ!?」
「オイ広野江後ろ!お前の足元見てみろ」
瀧月君が言う通り後ろの足元をみて見ると、ソコには氷のアートの様な花、【綺良姫結晶華】があった
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『まだ話さないのか?』
フードを被った人が話しかけにきた
「えっ?」
「何がだ?」
『言ったハズだよ、人間は全員一匹残らず殺すって。例え記憶を消されたとしても、僕は絶対に思い出してお前達を殺す』
先ほどの鎖のついた手錠の所には子供がいた。鎖のついた手錠によって手は挙げさせられているが、子供はさっきから物騒なコトをいいながらそう言う
「これは一体……」
「まるでホログラムだな」
「これが本来のこの技の力だ」
「阿比王ッ!!」
阿比王が突然現れてそう言った。これが本来の綺良姫結晶華の力………
『そこから何が出来ると言うんだい?』
『なぁに簡単なコトさ……僕が殺るのはただ1つ』
そして男の子が何かを呟き始めた
『無駄だここには結界がはって……』
パキッ…… パキッ……
『なっ!?』
『結界?この程度の力の壁がかい?』
パキィィィィィィンッ……
そして結界をいとも簡単に砕いた
『このッ!!化け物がッ!!』
『化け物……ククッ……あははははははははコレはいい、化け物、妖憑き好きに呼べ、そして僕は『人』と言うくぐりから抜けるあはははははははは』
その子の言葉に僕達は凍りついた
「何て強い呪詛めいた言葉」
亜矢椿の言葉に皆が頷く過去の出来事だと言うのに、ここまでの凄み……
まるで、今目の前に彼らが……嫌、この男の子がいるかのようだ