53輪
ぐらぐらする頭。
暗い空間で目が覚めた僕は直ぐにこれが夢だとわかった。神陰学園に来てから倒れたりとか多かったからという理由なのが悲しいが……
「ここはどこなんだろ?」
辺りを見回しても何もないが、声が聞こえた
「君に はあげない。あの子は僕の 」
大事な部分は聞こえない
「ふざけるな!そいつさえいれば俺は最強になれるんだ!!だから そいつをよこせ!!」
「ふざけるな……そんな身勝手な理由で を束縛するの? だって生きている。それなのに……」
「うるさい!!この ッ!!」
何でだろう、このやり取りがとてつもなく嫌だ
次第にその声は聞こえなくなった
「いったい今のは……」
「それ以上は危険だ」
僕しかいないハズの場所に人の声が聞こえた
「誰だ!」
姿は見えないが、それが一層不気味に思えた
「一つ忠告しておくよ。あまり深く感情移入はしないことだよ。それじゃないと君は……陽炎は………」
「どうして僕の名を……」
「いいかい、絶対に深く感情移入はしないことだよ……それじゃないと 」
「えっ!?何て?聞こえない!!」
聞こえないよ!
「気を付けてね……」
声が小さくなる
待って!!もう一回教えて!!
待って
待って!!
―――――――――――
「待ってって言ってるだろ!!」
ガゴォーン!!
おもいっきり誰かと頭をぶつけた
「~~~~~~~ッ!!」
「~~ッ、いきなり起き上がるなよ広野江!!」
「ごっごめん瀧月君!」
ぶつかった相手は瀧月君だった




