46輪
「阿比王、皆を助けたいんだけど……」
「今、お前が行けば邪魔なだけだな」
グサリ
容赦ない阿比王の言葉(事実だけど)に僕の心は痛む
「っつかお前が行った所でお前、未だに術をちゃんとコントロール出来てねぇーだろうが。そんな役たたずが一匹でも増えたらアイツ等の方が迷惑だ」
ザクザク
「さっきから何を言ってるの?」
「多分だけど、この子が陰陽師見習いって話だと思う」
「えっ!?陰陽師なの!?弱そう」
グサリ
呼子の疑問に山童が応え、そして覚がトドメを刺しにきた
僕だって好きでなった訳じゃないのに……
イヤ、そんなこと今はどうだっていい
「阿比王、お願い……皆を助けたいんだ。確かに僕は弱くて、邪魔で、存在する価値すらない役たたずだけど、それでも皆を助けたいんだ」
「………」
「お願い。阿比王」
―――――――――――
「チッ、ちょこまかと逃げやがって」
「ひひひひひ」
山姥は想像以上に動きが速く、捕らえるのが難しかった
だが、そんな時だった
ビキビキ
結界が
パキィィィン
崩壊したのは……
「なっ!」
「どうして!?」
「瀧月君!美咲さん!亜矢椿先輩!」
「広野江!無事だったンだな!」
だが、安心したのも束の間、広野江の隣には三体の妖怪
直ぐ様亜矢椿と瀧月が構えようとした時
「こぉんのぉ~餓鬼共がぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁ!!」
山姥が広野江達に向かって襲いかかってきた
「「広野江(君)ッ!!」」
「地に還れ 急々如律令!!」
「ギィヤァァァアァァァァアアァァァァッ!!」
亜矢椿が雷神を召喚させ、雷神の一撃を受けた山姥は声をあげ、山々に響かせながらその場で滅された




