45輪
「止めないと、助けないと……」
「おい!」
僕が結界に近づいていくのを見て、三名は止めた
「これは結界なんだ!人の子がこの結界を破るなんて出来ないンだよ!」
「結界に触れたらキミ事態が粉々のグチャグチャだよ!」
「……落ちつけ」
全員が僕の心配をしているが、段々とその声も聞こえなくなりはじめた。ただ僕は、『皆を助けなくちゃ』と言う思いだけに支配されていた
そして聞こえた
替われ
誰か知らない男の声。その声に身を委ねようとする僕がいる事にこの時の僕は気がつかなかった
そして、身を委ねようとした時だった
「こンの下僕風情が!!調子にノってんじゃねぇーぞ!!!」
「グハッ!」
阿比王の渾身の一撃を鳩尾にくらい、倒れた。そんな僕を見て、三名は慌てて僕の所に来た
「大丈夫か!?」
「アイツはいったい何なんだ!?」
「お前、死んでないよな?」
三者三名、各々に感じたことを聞いてきたが、僕が言えるのはただ1つ
「阿比王~……今までどこに…」
「お前に教えるかよバーカ!」
うん。わかってた、わかってたよこんな反応が返ってくるだろうなってことはッ!!でも本当に返ってくると泣けてくるよ
ってそうじゃなくて!!
「亜矢椿先輩や瀧月君、美咲さんが大変なんだよ!」
「だからどうした!」
「『だからどうした』って、そんな言い方ないんじゃ……」
「下僕の仲間を助けないといけないなんて法律はないだろ」
「屁理屈だな」
「アンタ最低だな!!人として何とも思わないのかよ!」
「俺は人じゃねぇーからな」
「揚げ足をとるな!!」
なんだろ……。とりあえず言える事は
何このカオスな状況
それよりも早く、皆を助けに行きたいんですけど……




