44輪
『人の子よ……』
『ん~?』
『何故、我らを滅しない?』
『えぇー?なんで滅しないといけないの?』
『主達は我らを嫌いなのだろ?』
『それは他の奴等の言い分。僕は君たちが大好きだよ?』
『好き……だと?』
『うん!だからね、条約を結ぼうよ。君たちを生かし、人に規制させる条約を……』
そう言って笑った幼き人の子は我らとの約束を守った
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~???side~
懐かしい匂いがした
「久しぶりだな。名も無き妖怪よ」
ソコにいたのは、我らの約束を守りし人の子が連れていた妖
「はっ!また随分と老いてるじゃねぇーか」
相変わらずの言葉遣い。
「あの者はどうした?」
「死んだよ」
淡々と語るが本当の所はどうなのだろう?
この者は一体何を考えているのだろう?
「それより、今しがた人間が四人入ってきただろう?」
「あぁ……確かにな」
1つは懐かしの気配を感じて許したが、他三名は知らぬ気配ゆえに、何体かを向かわせたな
「それがどうかしたのか?」
名も無き妖怪はニヤリと笑った……
~???side end~
―――――――――――
「アンアン!!」
「どうしたの?」
子犬がある一点に向かって吠えはじめた
「げっ、あれって」
「山姥だな」
「年なんだから山奥ですっこんでたら良いものを、現役時代でもないくせにあんなにはりきって……後でぎっくり腰になっても面倒みないでおこう。面倒ごとには首を突っ込みたくないしね」
「「山童……ι」」
どうやらここから先に結界があるようで、同じ山で暮らしていた山童や呼子、覚達には中の様子が見えているそうだ
「ねぇ、何があったの?」
「あぁ~、人の子達がいるんだよ……男一人に女二人……」
「それって!瀧月君に美咲さん、亜矢椿先輩だ!」
「わぁー……」
「なんたる偶然……イヤ、必然k「ってそんなことよりヤバイよね!婆さんだよ!?」
「久方ぶりに人の肉食べようとしてるね」
その会話は僕を顔面蒼白にさせた




