4輪
「阿比王も来たのか」
「まさか阿比王がくるなんてな」
確かに阿比王が来るなんてあり得ないだろう。ただ、阿比王の理由は『暇だから暇潰しが出来るだろ?』とのこと
「阿比王は綺良姫結晶華を見たことがあるって言ってたのに、何も教えてくれないンですよ」
「有力なヤツなのに……ってアイツ、どこいった!?」
「あっ」
―――――――――――
「古い本や文献はあるくせにやたらとデタラメだな」
いや、時代が変われば語り継がれてゆく話事態もかわるか……
なんとも滑稽な……
ガタッ
「ん?」
―――――――――――
「阿比王ぉ~?」
図書館なので小声で阿比王の名を呼ぶしかない
「阿比王ぉ~」
「オイ」
「阿比王ッ!!何処にいたんだy「今すぐ他の奴ら呼んでこい」
僕の話聞かずに……ってか阿比王の傍若無人さに馴れはじめてきてる僕って……
そして、阿比王の言う通り亜矢椿先輩や瀧月君、美咲さんを連れてきた
「どうかしたのか?」
「なぁ、ここは『図書館』なんだよな」
「はぁ?何を当たり前なコト聞いてンだ?」
阿比王が邪悪な笑みを浮かべながら聞いてきた質問に対し、瀧月君は直ぐ様に切り返してきた
まぁ、普通に本だけだし、見た通りなんだけど……
「じゃあさ……」
すると阿比王は一冊の本を前に倒した
ガコンッ……
ゴゴゴゴゴゴゴ……
阿比王が本を倒すと、隣の壁際の本棚が横に動いた
「こんな地下室があっても図書館なのか?」
「隠し通路……」
「何でこんなのが図書館に……」
亜矢椿先輩ですら図書館に隠し通路があることを知らなかったようだ
「行くぞ」
阿比王はそう言って地下の階段を降りて行った
「どうする?」
「どうするって聞かれても……」
「おもしろいな……行ってみよう」
亜矢椿先輩はそう言うと地下室へ降りて行くので、僕達も慌てて降りて行った
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「神陰学園の図書館に地下室があるなんて……」
「誰も知らないのか?」
地下室には蒼白い薄明かり(と言っても本当に薄い)が灯っていた
やっとのこと階段を全部降りると、ソコにあったのは牢屋だった