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31輪

直接的には妖怪の味方をしていたとは言っていなかったし、あの地下牢のノートにも書いてはいなかったが、広野江から聞いた広野江の祖父の話や、綺良姫結晶華で見た時の広野江の祖父が言っていた言葉


『化け物、妖憑き好きに呼べ、そして僕は『人』というくぐりから抜ける』


これ等を寄せ集めて出来た結論は、俄には信じられないが、広野江の祖父は妖怪の味方だと言う可能性だった


もし、それが本当だとしたら、彼の祖父は何故妖怪の味方をしていたのだろう?


人間を嫌悪(と呼ぶ以前の問題かもしれない)し、妖怪になりたかったのだろうか?


「(だが、そう考えると矛盾が生じるな)」


広野江の祖父はあくまで『陰陽師』だ。他の陰陽師とて多生なりとも妖怪を生かす時もあるが、あくまでも陰陽師は妖怪を滅するのが仕事でもある。故に、『生かす』と言うこと事態が珍しい


『生かさず殺さず』、と言うのなら式神として使役する方がより多いだろう


だが、彼はそんな一般的な陰陽師に向いているかと聞かれたら答えはNOだ


彼はあくまで妖怪の味方なのだ


「(広野江の祖父はこの後に何かあったのか?)」


『妖怪の味方の陰陽師』そんな陰陽師がいたら、神陰学園は愚か、世界そのものが大変だったであろう。


それも含めて、広野江陽日鎖という人物について俄然興味が出てきた亜矢椿だったが、美咲は違った


彼女には1つだけ気になっていたことがあった。


何故、彼を知ろうと思えば思うほど怖いと思うのだろう


恐怖  嫌悪  憎悪


そんなモノではなく、もっと深く。本能とも呼ぶべき何かが影響しているのか、それさえ解らないぐらい、とてつもなく怖かったのだ


あの牢屋で見たあの日からずっと……




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