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29輪

ドタバタとした朝食作りは、やっぱりいつも以上に時間がかかった


それにしても、瀧月君遅いなぁ……


もうすぐ8時半なんだけど……


「僕、瀧月君を起こしに」


「あぁ、頼んだ」


この時の僕は何も知らなかった。否、僕らはお互いのことを何も知らなかったのだ


まさか、あんなことになるとは……


やはり誰も知らなかった



―――――――――――


瀧月君と僕の部屋に来ると、ソコには見たくなかった大惨事になっていた


「いったい……何が……」


そう、瀧月君は物凄く寝相が悪かったのだ


襖の戸の近くには枕が、蒲団は寝ている瀧月君から遠い場所に……


「た、瀧月君?朝だよ~…ι」




「うおおおおお!」


「ひっ!」


いきなり雄叫びをあげる瀧月君はとても怖い


ってかこれって本当に寝てる……のかなぁ?起きてるんじゃあ……


「(でも近づいたら危なそうだし……ι)」


周りの悲惨さを見たら本当に……


「(でも、起こさないと朝食食べられないよね!よし!)瀧月君」


僕は勇気を出して瀧月君の近くまで行き、その体に触れようとした時だった。いきなり体が浮いたかと思ったら、背中に痛みが走った。そう僕は瀧月君に背負い投げをされたのだ


「(えっ!?寝てるんだよね!?)瀧月k、イダダダダダダダダダッ!!絞まって!絞まッイダダダダダダダダダッ!!」


そして僕はこの時から寝ている瀧月君には近寄らない様にしようと密かに誓ったのであった



―――――――――――


「悪い広野江……」


「大丈夫だよ(苦笑)」


本当はまだ痛いケド、瀧月君は誠心誠意、心を込めて謝るので逆に何か……怖い


謝られること事態が僕はなかったから余計に


「ふむ……よし、瀧月、お前はコレから目覚まし時計で起きれる様にしろ」


「嫌々ここに目覚まし時計事態ないじゃ「大丈夫だ。阿比王曰、『起きたい時間を紙に書いておけば、嫌でも目が覚めるだろうよ』って言っていたから」


「何が大丈夫なんですかッ!?悪い予感しかしないんですけど!?」


阿比王の大丈夫は八割六部は大丈夫じゃない。四部ぐらいは大丈夫だと思うが、残りの1割は何が起こるかわからない。そう思って行動しないといけないと僕は思うのだが……




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