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135輪


僕らが目覚めた時には、もう妖怪たちはいなかった。それどころか、もといた家に寝かされていたのだ


他の皆もこの事には驚いていた。理由を知っているであろう阿比王に聞いても、『知らねぇー』『はやくやることやれ』と返されるだけだった


ただ、これが夢でなかった事は理解出来ていた


何故なら、僕の心にあった暗く冷たい岩の様な塊が、姿を消したのだ。今まで皆を羨ましいと思った時に、僕を押し潰していたあの感覚が消えたのは祖父が最後のあの時に取り除いてくれていたからだった


確かに、祖父の過去は悲劇と惨劇しかない人生だったのだろう。全ての人から投げかけられた、深い拒絶と理不尽な暴力、心無い言葉。そんな祖父の心の隙をついて、甘美な言葉で祖父を味方につけた妖怪たち……。そんな妖怪を愛した祖父。


そんな祖父だからこそ、妖怪の為に命をはって頑張っていたのだ。


祖父が編み出した術式が難しくも強力なのは、祖父の特殊な力だけではなく、誰かを思いながら作り出したからなのだろう




―――――――――――


「よし、だいたいまとめました」


「はやッ!!?」


「スゴいね広野江君ッ!!」


「いえ、大まかに4~6つに纏めておいて、後で順序よく組み立てるって感じでやると、簡単なレポート位ならできますから……」


「ふむ、では、残す難関は……」


美咲さん、亜矢椿先輩、そして僕の三人が一斉に瀧月君を見る


瀧月君はバツが悪そうにしていた


「こんなんわかるわけねぇーだろうが」


「答えをみたりとかは?」


「何か負けた気分になるからイヤだ」


何がですかッ!!?



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