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122輪
「あの時のおまじないも本当におまじないなのかも怪しいなぁ……」
まぁ、気晴らしにでも祖父が歌ってた詩でもやってみよっか……
多分、祖父の創作だと思うけど……
「えっと……たしか……」
―――――――――――
~♪
「歌が聞こえる」
「えっ!」
「シィーッ!!静かに!!」
おいでなさい
こちらまで
「あっちから声がする」
「行ってみましょう」
行くを恐れず来てみなさい
振り返らずに着いてきな
振り返ってはいけないよ
声知らず
人知らず
誰が呼ぶんだい?
さて誰だ
伊邪那美かい?
伊邪那岐かい?
否、違う
呼ばれて誘われ、行こうかい
「こっからだな」
「大きな岩だな」
「こっから先にはいけないのか!?」
行くすべ知らず
先に行く
恐れず進め
祈れば開く
道行く道に
戸はいらず




