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110輪

暗い……


 でも落ちつく


不思議だなぁ……


 心地よくて


このまま寝てしまいたい


「……えッ!!」


?何か聞こえた?


「………ろ……え」


「ひ……の」


誰?君達は……



でも僕はこの声を知っている?


何で知っているの?


今凄くここが気持ちいいのに……


邪魔しているの?


邪魔しないでくれるかなぁ?



眠りたいんだ


このまま深く……




―――――――――――


「お前、大概にしろよ」


「えぇ~?」


ニコニコ笑いながら阿比王を膝に乗せ、頭を撫でる。


「本当はお前、こんな状態になったって解く術なら万通りとあっただろうが」


「当たり前だよ阿比王!」


目を輝かせながら見事に肯定した


「だって、簡単にこの状態を解いたらつまらないでしょ?」


彼らの近くには亜矢椿、美咲、瀧月の三人が転がっていた



―――――――――――


~数十分前~



失敗する可能性があったとしても、唯一救う方法があるのなら……


「わかりました。私1人で行きます」


「亜矢椿先輩ッ!?」


「椿ちゃん!」


瀧月と美咲は驚いた


「こうなったのも、班の年長者なのに広野江の気持ちを察する事が出来なかった私に責任がある」


「それなら私だって!」


「そうだよ!亜矢椿先輩!俺が行きますから!」


と、互いに互いを思って自分が行くと言って聞かなかったが、陽日鎖は


「本当に仲良しだね。だからさ、君達全員で行きなよ!」


と、飛びっきりの満面の笑みを浮かべながら、術を放った


三人が何か言っていたが、陽日鎖はフル無視した



―――――――――――


「だってさ、これで阿比王達と一緒にいられるでしょ?」


さも邪魔だったから飛ばしたと言わんばかりに、そんなことを言ってのける陽日鎖に阿比王はため息をつくのだった




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