日常茶飯事
あれから約4年経った…
午前5時30分。新聞が届く時間帯。朝日は顔を出そうと勢を出している途中。
最近少し肌寒くなってきたから中々布団から抜け出せない。
しかし、朝からやらなければいけないことがある。洗濯、掃除、朝食作り。全国の主婦たちを尊敬するよ。
自分は一人暮らし。一人暮らしとは思えないくらい大きな日本家屋に住んでいる。
え?両親?九歳の時に亡くなったよ。原因は知らない。
一ノ瀬 透和
女・中三・十四歳
長い黒髪。染めようとは一つも思わない。
左肩に痣がある。産まれた頃からあるんだって。お母さんが言ってた。
そろそろ起きないと…。動けない。金縛りとかそんな安いものじゃない。毎回厄介なんだよね…。
紅いボサボサした髪が目立つ2メートルくらいある背。
私より大きな身体は私の腕を離してくれない。
『んん…透和…。』
寝言を言いつつ寝返りすれば、距離は縮まる。
鬼恐
男・妖怪
透和が十歳の時に出会った妖怪。いつの間にか、この家に住み着いている。
透「鬼恐、起きて。ねぇ起きてよ。」
鬼『くーzzz』
これでは朝食が作れない。朝食を抜くことは、さすがにしたくない。
透「朝飯抜くよ。」
ガバッ
鬼『俺の朝飯!!』
勢いよく起き上がり、朝飯を求める。こうしたら絶対起きる。
透「おはよう。朝飯作ってくる。」
鬼『おはよう!!透和!!今日も可愛い!!』
こいつはシスコン(またはロリコン)という単語を知らないのか…。
抱きつかれると重みで立ち上がれなくなった。
透「うん。わかった。新聞取ってきて。」
スルー。だって日常茶飯事だもん。
鬼恐は窓を開けて飛び降りた。妖怪だからこれくらいのことでは怪我しない。と、鬼恐が言っていたので信じて取りに行かせている。
さて、今のうちにやることを済ませよう。
***
鬼『今日も学校か?』
朝食を食べ終え、学校に行く準備をしていた。
透「学校だよ。」
鬼『勉強嫌じゃないのかよ。』
鬼恐は妖怪だから学校なんかない。
透「嫌だよ。」
鬼『俺と学校、どっちが大事なんだよ?』
またか…これで三回目。本人は構って欲しいらしい。昨日、散々遊んであげたのに物足りないのか。
透「鬼恐が大事。」
“学校”と答えて暴れられてたら困る。(経験談)
鬼『そ、そうか///』
頬を少し赤らめ、ニヤニヤ笑っていることがバレバレだ。
家を出るまで後二十分。透和はやることをいつもより早く済ませてしまい、余裕がある。何をしよう?
ふと鬼恐の手を見ると、クシを持っていた。頭の寝癖を直せという合図だ。
寝癖より癖毛だろうと思うくらいボサボサな髪。
まぁ暇潰しだからいいか。
***
透「鬼恐の馬鹿!!」
鬼『は!?俺様を馬鹿呼ばわりするな!!』
出る時間はとっくに過ぎていた。夢中になりすぎて気づかなかったのだ。鬼恐は気づいていたのに透和に教えなかった。
おかげで遅刻ギリギリだ!!
透「留守番しててよね!!」
スクールバッグを引っ付かんで家を出た。
初めまして&こんにちは
鷹羅と申します。
新参者ですが、よろしくお願いします。m(_ _)m
“今宵共に”を読んでくださり、誠にありがとうございます。まだまだ続きます。いや、これでは終われませんよ(笑)
一ノ瀬 透和は、中学三年生の女の子です。成績と運動神経良しという設定にしています(多分)。ルックスは良い方です。まぁ、ご想像にお任せします。
鬼恐は、名前からして怖いイメージですが、実は優しい男という設定です。“日常茶飯事”を読んだら分かると思いますが…透和ラブです。年齢は不明になっています。
発想力が全然無いので投稿スピードが遅いですが、空いた時間を使って執筆する努力をします!!
最近、暖かくなってきましたが、まだまだ寒いです。お互い健康に気をつけましょう。