上り詰めた場所
眩しいフラッシュライトが、ステージ中央に立つ男を照らし出す。
「今大会最大のダークホース、圧巻な戦いを見せてくれた選手にお話を伺いたいと思います。アマチュアとして今大会に参戦されましたが、強豪のプロチームを相手に一体どうやってあのパフォーマンスを生み出したのでしょうか?」
男がマイクを受け取る。高級なプロチームのユニフォームではなく、スポンサーロゴ一つない黒いパーカーの袖を捲り上げながら、彼はマイクに向かって小さく鼻で笑った。
「そんなに注目してもっらっているとは、うれしい限りですね。どうやって自分のパフォーマンスを発揮できたかですか、、、。」
男はマイクを弄びながら、話し始めた。
「自分の強さは、初心者時代の情熱と学びから来ていますね」
「その、初心者時代はどのようなものでしたか」
「……まあ、僕がその『情熱』を注いで、泥水をすすりながら学んできたのは、皆さんがやってるこの最新作じゃないんですけどね。」
男は続けて話す。
「運営が今作を本格的に動かしている時期に、このゲームの前作に初めて触れて多くの情熱を注いでいましたからね。あの何でもありのサーバーで鍛えた動きは、甘えた環境で仲良しごっこしている奴らじゃ身につきませんよ。」
インタビュー会場のフラッシュの白。それが、数年前の自室で被ったVRゴーグルの、起動画面の眩しさに切り替わる。




