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最後の恋文  作者: 月樹


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第2話 五大公爵家

 クライブは五大公爵家の1つ、ストラルガー公爵家の当主だ。


 我がヴァレンシア王国には、建国以来王家を支える五大公爵家がある。

 アンネマリーも五大公爵家の1つガーランド家の一人娘ではあるけれど…

 五大公爵家同士では、嫡男嫡女で結婚し一代飛ばしてその子供を次の跡継ぎに据えることはよくあることなため、特に問題視されることもなかった。


 五大公爵家では生まれてすぐに婚約者が決められ、早くに結婚することが望まれる。

 そして少しでも多くの跡取りを残す。


 二人の結婚式はとある事情により延期されていたけれど…

 本来ならもうとっくに式を挙げ、お披露目されているはずだった…。


〜・〜・〜・〜・〜


「ねえ、ちょっと聞いているの?

 もう、いくら待ってもあなたが家に居座る限り、彼は帰って来ないわよ!」


 アンネマリーの反応が思ったものと違ったようで、ミッシェルは苛立ったように声を荒らげた。


「そんなに怒鳴らなくても、あなたのお話は聞いているわ。

 でも私もただあなたの言う言葉を信じて、『はい、そうですか』と彼と別れることは出来ないの。

 だって私達は、生まれる前からの許嫁なのですから…」


 クライブが2歳、アンネマリーが母のお腹にいると分かった時点で、この二人の婚約は結ばれていた。


 アンネマリーは()()()()()()()()屋敷に来てくれたら、彼を解放するとミッシェルに約束し、その場を離れた…。


 生まれる前から婚約の決まっていたアンネマリーは、10歳からストラルガー公爵家で公爵夫人としての教育を受けており、今もストラルガー公爵家で暮らしている。


 ~・~・~・~・~


 約束の1週間後、ミッシェルは包帯で顔をぐるぐる巻きにして、片目だけ出した銀髪の男性を伴って公爵家を訪問した。


 その彼の瞳の色は、ストラルガー公爵家特有の紫色をしている。


 各公爵家は、それぞれ特有の色を持っており、ストラルガー公爵家は銀髪に紫色の瞳、ガーランド公爵家は黒髪に緑色の瞳。


 ミッシェルも緑の瞳をしているけれど…

彼女の瞳の色は淡くて、宝石に称えるならペリドット。

 アンネマリーの瞳は、エメラルドのような深い緑をしていた。

お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。

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