第27章 相談事
この章は話の流れの都合上、短めです。
フリルさん、心配しなくても大丈夫なのよ。
たとえ私が負けても、デビンが領主になることはない。
そして王太子殿下が選ばれるであろう、フリュードはとても優秀であの領地をとても愛している人だから。
フリルだって彼と親しくなったら、彼が領主になって良かったと絶対に思うはずに違いない、そう私は確信していた。
私もこのふた月、様々な経験をし、多くの人々と出会って会話を交わしたことで、色々と考えることがあった。
当選するかどうかは差し置いても、私を支持してくれている人がいるのなら、全て放り出してこの国を捨てるような真似はしてはいけない。そんな気になってきたことはたしかだ。
だからフリルにこう言った。
「まあ、最終的な判断は結果が出てからのことになると思うわ。
でも、卒業後にすぐに出奔する計画は止めにしたわ。それではあまりにも無責任だもの。
今後どうするのか、総合的によく考えて決めようと思っているの。
あなたがその相談相手になってくれると助かるわ」
すると、フリルがようやく私の目をまっすぐに見た。彼はなぜかとても安堵したような顔をした。
しかし、すぐにいつもの無表情な顔に戻ってこう言った。
「もちろん、いくらでも相談に乗るよ。それに僕も聞いてもらいたいことがあるし」
と。聞いてもらいたいことって一体何かしら? それがとても気になったわ。
彼の両親は共に病死したと聞いている。
けれど、平民には滅多にいない魔力持ちだと言っていたし、彼のように頭が良くて立ち居振る舞いもしっかりしている人間が、ただの平民の孤児とはとても思えなかった。
でも彼はあまり自分のことは話さなかったし、私もあえて聞こうとはしなかった。
人の過去を詮索するのは良くないことだと思っていたからだ。
とはいえ、こちらは何でも話しているのに、信用されていないみたいで少し寂しく感じてもいたのだ。
まあ、聞かれもしないのに、彼を信用して私が勝手にしゃべっていただけだけど。
だから、彼のことを最後に何か知ることができたら嬉しいわ。
卒業式を待つ楽しみがもう一つ増えたと思った私だった。




