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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第95話

「僕が、決めるんだ」

僕は何度も同じ言葉を反芻した、恐らく僕の決意は揺るがない、とは言え、これから先何年も同じ気持ちで居る事を保証しない。今日までのレイ達や姫様との出来事を、忘れられない思い出として覚えているのか、遠い記憶として頭の片隅に仕舞ってしまうのか。今すぐには答えは出ないだろう、難しいことなど考えずに突っ走る事が出来たら良かったのだけれど、どうしても僕は即決即断が出来ない。

思えばレイはそれが出来ているように見える、そうか、僕がレイに憧れを抱いたのは、当然の結果なのかもしれない。

「まだ1年以上先の事だから、家に着いてからゆっくり考えて良いんだぞ。学校としては世界で一番だと思っているが、学校としては最悪の選択肢でもあるからな」

相変わらずレイの説明は的を得ない、少しだけ気持ちが楽になったからレイの言葉に突っ込みを入れた、

「世界一なのに最悪って、何を言っているのかわからないよ、もうちょっと詳しく教えてよ、僕が通う事になるかも知れないんだから」

「ああそうか、まああれだ、狩竜人として何が必要なのか、知識や剣術、その他ありとあらゆることを学ぶ場所としては世界一だと俺は思ってる。俺の母校でも有るし、あの姫様も卒業生だしな」

「えええ、それはすごい、レイはともかく姫様まで通っていたって事は、本当の名門校なんじゃないの」

レイは不服そうな顔をして、僕のからかいに乗って来た、

「まあ俺みたいなのは評価されないだろうからなぁ、これでも剣術大会の新人戦は優勝してるんだけどなぁ、そういうシリル君はどうでしたっけね」

まったく大人げない、しかし僕も負けるわけにはいかない、

「僕はまだその剣術大会を連続優勝している、姫様の通われていた学校に行ってすら無いですからね、これからですよ、これから」

「まったく減らず口だけはかなりの使い手だな、まあそれは良いや。最悪ってのは場所がとんでもない山奥にあるから、学校の周りは獣だらけで毎年何人も襲われているし、授業の内容でも怪我人が出てるからな」

「・・・そんなところを・・・」

僕は途中まで言いかけた言葉を飲み込んだ、死と隣り合わせの狩竜人に成ろうって人が、獣を恐れたり、怪我をしない様な訓練をしていたのでは成れるわけが無い、そう言う意味では世界一の学校と言うレイの言葉を信用したい。

「安心しろよ、俺が知ってる限りでは、まだ死人は出てないって話しだから」

少しだけ安心した、僕の表情が緩むのを見ていたのか、レイが嫌らしい笑顔を浮かべながら、

「行方不明者は何人も出てるけどな、国に帰ったのか、獣に食われたのか、死体が出て来ないと死人として扱われないからなぁ」

レイはそう言って僕の顔が曇るのを見て不気味に笑い出した、まったく、こんな大人のどこに憧れたんだろうか。

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