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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第69話

店の外に出るとまだまだ日差しは鋭く、店内の快適さからの落差に疲れがどっと出てきた。とはいえ、アルデンサルへ来てからのわずかな時間に色々と体験した出来事は、アトモスでは経験することが出来ない事ばかりだった。思うように動かない足に力を入れて、しっかりとレイの後を着いて行きながら、僕は少し興奮気味にレイに話しかけた、

「ねえレイ、僕は初めてあんなに綺麗な人を見たんだけど、あの人がアルデンサルのお姫様なの」

「あああのお姫様は違うぞ・・・ってそうか、始めて見たのなら知らなくて当然だよな、あの姫様はああ見えて世界で一番強いお姫様なんだ」

「えええ、という事はあの姫様が、レイよりも強いっていうオフィーリア・グッドゲームなの」

僕のレイよりも強いと言う言葉に傷ついてしまったのか、レイが少し暗い顔になってしまった、僕も失言だったと気付き、慌てて取り繕おうとしたけれど上手く行かなかった、

「そうですよ、あの大層綺麗なお姫様は、俺みたいなへなちょこよりもお強いですよ」

両手を頭の後ろで組み、口を尖らせてレイが早口で捲し立てる、それから暫くは拗ねていたレイだったけれど、ゆっくりと宿へ歩きながらぼそぼそと話し始めた、

「あと2年、いや3年かな、剣戟大会に集中出来てれば勝てたと思うんだがな。あ、言って置くがこれは負け惜しみでも何でもないぞ。俺は出来ない事は、口にしない質なんでな。ただまあ、俺がそう出来なかったって事は、やっぱり負け惜しみになるのかな、現にあの姫様は、ずっと無敗のままだしな。だけど、俺が勝っちゃたらそれはそれでなぁ、俺にとっては単なる勝ちでしかないけど、お姫様にとっては途轍もない価値だって知っちゃったからな」

「どういう事、勝ちの価値が違うなんて事があるの」

「そうだな、国の代表として大会に出ている以上はな、勝った負けただけじゃあ済まない事が有るんだよ」

「そんな事を言ってもさ、最終的に勝者は一人でしょ、それ以外の人達はみんな敗者になるよね、それを咎めるなんておかしいよ」

「そうか、シリルにはまだ難しいかもな、でも今はわからなくても良いぞ、それよりも目の前の一回戦の事を考えな、どうあがいてもお前より強い相手だろうしな」

「そんな事はわかっているさ、怪我はしたく無いしね」

レイに下手糞にはぐらかされてしまった、でも言っている事は間違っていないので一回戦に集中することにしよう。具体的には、明日の観光が終わってからになるけど。

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