僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第67話
冷たい風を浴びてすっかり元気を取り戻したところで、小腹が空いている事をレイに伝えると、店員にメニューを指差しながら何品か注文をしてくれた。どんな料理が来るのか楽しみに待っていると、とても食欲の増すかいだことのある匂いが漂って来た。
「匂いでわかると思うがシリルも大好きだっただろ、こういう食べ方もあるんだぜ」
店員が並べた皿にはカレー粉を塗した揚げパンが乗っていて、レイは得意げな顔をしていたが、僕が食べた事が有る旨を伝えると、残念そうな顔に変わってしまった。
そんなレイを宥めながら揚げパンを一口食べた、シンディに作って貰った時よりも塗してあるカレー粉が多いのか、口に入れた時の刺激が大きかった、夢中でカレーパンに噛り付く僕を見てレイの機嫌も良くなっていった。カレーのスパイスと上げたパンに口の中の水分を奪われたため、レイが注文してくれていた飲み物に口を付けた。果物を絞ったであろう飲み物の刺激も強く、口の中が弾ける感覚が広がり、慌ててそれを飲み干すと今度は喉にさらなる刺激が襲い掛かって来た。カレーを食べた時に水を飲むと凄い事になった事を思い出し、その時よりも大きな刺激に、僕は口の中の物を吐き出しそうになるのを、手で押さえながらすべて飲み込んだ。
「この飲み物は何なの、口に入れると爆発したようになるんだけど」
まじまじと見つめているとその飲み物から小さな気泡が出てきているのに気付いた、
「なんだかビールみたいに泡が出て来てるんだけど、ビールじゃあないよね」
僕の慌てふためく姿を見てレイは完全に機嫌を取り戻し、笑顔で僕の質問に答えた、
「ビールなんて子供が飲んでも美味しくないぞ、それは甘くした炭酸水だ。ビールは発酵させると発泡するようになるらしいが、それは水を冷やしたり圧を掛けたりと、なんだかんだと色々やって泡が出る様にした物で、それを炭酸水と言うらしい。例によって俺にはよくわからん物だが、そのままだと美味しくないから、甘みを付けてるんだそうだ。どうだ、鋭い刺激にくらくらしてた頭もすっきりしただろ」
僕は大きな声で返事をしたが、いつもの良くわからない説明を聞いて、やっぱり全然わからなかったけど、これはとても美味しくて頭がすっきりする事だけはわかった。
僕は残りのパンと飲み物をすべて平らげ、満足のげっぷを出した。




