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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第65話

港町に住んでいるから船に乗った事は何度も有った、父に連れられて沖に出て釣りとかいう海面を眺めながら会話を楽しんだことも有る、その時の船はこれほど大きくは無く、船と言う物はゆったりとした乗り物だと思っていた。それがどうだろう、今乗っている船は波を切り裂いて弾ける水しぶきを霧散するほどの速度で海の上を滑走している。久しぶりに会ったレイと、このワクワクする乗り物に興奮して、レイ達と別れてからの出来事を早口で捲し立ててしまった。

レイはそんな僕の話しにしっかりと耳を傾けてくれていて、僕の口から次の言葉が出て来なくなるのを確認したところで、

「そうだったのか、頑張って訓練していたみたいだな、シリル師匠」

絶対にからかわれるだろうと思っていたところに確実に食らいついてくれた、それでも頑張っていた事を褒められたので僕は悪い気はしなかった。

「ハロルド隊長が、あんなことを言わなければ良かったのに。本当に仕方のない人だよ、何とか説得出来ていたのにさ」

「まあいいじゃねえか、誰のお陰か随分と強くなれたみたいで」

レイはにやにやとしながらそう言った、その顔に少し苛ついた僕はジェイジェイのお陰だと答えておいた。

「ねえレイ、なんで空を飛べるのに海の上から行くの、速度は確かに速いけど空からの方がもっと速いよね」

霧雨の様なしぶきを浴びながら、気になっていた事をレイに尋ねた、

「シリル、お前船を飛ばすのに、どれだけ金がかかるのか知らないのかよ」

「え、知らないよ、考えた事も無い」

「知らないってまあそれもそうか、俺たちが今乗ってるこの船を飛ばそうとしたら、まず船の値段が何倍もする。それは魔力炉が大半を占めるが、空を飛ぶには船体も強化しなきゃならない。それに空を飛ぶには物凄い量の魔力を使うから船賃は何倍にもなってしまう。空を飛んで移動するのは狩竜人船以外ではほとんど無いと思った方が良いな、人を乗せて運ぶだけで空を飛ばせるのは、途轍もない金持ち以外にはまず居ないな」

「そうなんだ、狩竜人って本当に儲かるんだね」

「まあそうなんだが、言って置くが俺はそんなに金持っていないぞ。船長はむちゃくちゃ金持ちだけどな」

「へえ、やっぱりそうなんだ。そうだと思ってたよ」

「なんか引っかかるな、言って置くが俺が金を持ってないと言っても、持ってる人を知っているから持ってないと言ってるだけだぞ。飯食って、酒飲むぐらいしか、金の使い道が無いんだからな。貰った報酬のほとんどは手つかずだし、武器類は他の船は知らないが、俺達のは全部アル船長持ちだからな」

レイは胸を張り、鼻息荒く自慢してきた、まだ学生の僕相手に何を自慢しているんだろうか。

「だ、だからな、その、もう一人ぐらい養うのなんて、その、なんて事無いって言うか、な」

僕は、聞こえないふりをして水平線を眺めていた。


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