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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第64話

下校時刻まで特に何事も無く、平穏無事に過ごせた事に喜びを感じてしまった。

今までの僕ならそれは当たり前の日常だったが、山の向こうから狩竜人船が来てからは、毎日目まぐるしい日々が続いていたからだ。

校門の前で恐らく僕を待って居るであろうブライアンを見つけたため、とりあえずシリル君と呼ぶようにアーノルドと二人でお願いをした。快くとは言い辛い物の、しぶしぶでもとりあえずブライアンの了承を得る事が出来た。

「師匠・・・じゃなくて、シリル君がそう言うならそれに従うよ」

「僕はまだまだ師匠と呼ばれるほどの実力なんてないから、本物の狩竜人はもうとてつもなく凄い人たちだったよ」

「そうか、俺からは想像もつかないよ、シリル君にすら手も足も出なかったんだし」

「いや、それは僕がきちんと戦い方を教えて貰ってたからだよ、ブライアン君は僕より身体も大きくて力が強いんだから、戦い方さえ覚えれば僕なんてすぐに追い抜けるよ」

「そうかなぁ、そうだと良いな」

道場へ歩きながら話していると、程なくして道場へたどり着いた。

道場の門を開けると、いつものように守備隊の人達が訓練をしていた。僕はその中にお目当ての人物を見つけたため、ブライアンとアーノルドにここで待つように伝えると駆け足でその人物のもとへ向かった。

「やあシリル君、真面目に訓練しているみたいだね」

「こんにちはハロルドさん、何とか続けています」

「それは結構、それで私に何かようじでもあるのかな」

「はいそれなんですが、無理なお願いかも知れませんが、あそこに居る大きい方の子がこの道場に通いたいと言っているのですが、よろしいでしょうか」

「うーんそうだねえ、これと言って断る理由は無いけれど、私たちと同じ訓練は出来ないだろうし・・・」

そう言うとハロルドは顎に手をやり何やら考え始めた、元から無理を承知でお願いをしているので、断られたところでブライアンに謝るだけなのだ。

ふと視線を上に向けると、ハロルドが僕を見つめている事に気が付いた、その瞬間、僕の背筋に悪寒が走った、その正体はすぐにわかった。

「よし、今すぐその子をここに呼んでくれないか」

「はい、ブライアン君こっちに来てもらえるかな」

僕の言葉に、尻尾を振りながら駆け寄ってくる犬みたいに満面の笑顔でブライアンが走って来た。

「名前は何と言うんだね」

「はい、ブライアンと言います」

「道場に入りたいそうだけど、守備隊になりたいのかね」

「いえ、狩竜人に成りたいと思っています」

「そうか、それは結構、私たちは守備隊としての訓練をしているので、君と一緒に訓練をしても君のためにはならないんだ」

「そうですか・・・」

ハロルドの言葉に顔を曇らせて、今にも泣きだしそうになってしまった。そんなブライアンを見て、少し可哀そうだと思った。

「そんな悲しそうな顔をしなくてもいい、君には素晴らしい師匠が居るじゃないか。シリル君、確か狩竜人になるためにこの道場で訓練していただろう、これからはブライアン君の師匠として、一緒に訓練すれば良いじゃないか」

さっきまで泣きそうな顔をしていたブライアンは、満面の笑みを浮かべて僕を見て大きな声で言った、

「よろしくお願いします、師匠」

とても良い事をしたと思ってハロルドはとても満足そうにしている、僕の危機察知能力はどうやら本物のようだ、明日からは危機回避能力も鍛える事にしようと思った。

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