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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第58話

葉っぱを散らすだけならば特に練習をする必要も無いと思ったけれど、風圧で葉っぱを散らせるようになるくらい力強く素早く素振り出来る様になる事が必要だとレイに言われた。どんな構えからでも全力で剣を振れる様にと言われていたけれど、どんな体勢からでも葉っぱを散らせる一振りを出来る様にと考えると、やはり簡単には会得できるものでは無いと改めて理解した。

「僕の対戦相手も同じことが出来るのかな」

怪我をしないようにから、あわよくば1回戦突破、出来れば2回戦もと思っていたけれど、レイの素振りを見ただけで、僕は怪我をしたくないまで気持ちが逆戻りしてしまった。

こんな事で挫けていたら狩竜人になど成れないと思うけれど、実際に僕の対戦相手がレイと同等の力を持っていたとしたら、僕は歩いて会場を出る事は叶わないだろう。

「あー安心しろ、よっぽどのことが無い限りそんな事は無いから。色々と事情が有って新人戦も無制限も地方予選は大した奴は出て来ないから」

「本当に、絶対に大丈夫なの」

「まあまず大丈夫だな、地方予選は俺も他の強い奴らも免除されているから、わざわざ地方の予選に参加するような事はしないだろう。よっぽどの理由でも有れば別かも知れないがな」

「よっぽどの理由ってどれくらいの事かな」

なんだシリルそんなに心配か、安心しろ18歳未満で気を付けなきゃいけない相手なんてのは、どっかのお姫様くらいだから」

「それってジージー王国のお姫様でしょ」

「そうそれだ、良く知ってるな。とにかく無茶苦茶強いお姫様でな、そのせいで予選の方式やら毎年のようにころころ変わって大変だったんだ。予選に参加すると参加者のほとんど全員が棄権するから地方予選の免除が出来たりとか、新人戦の参加資格もころころ変わってな、俺はもう無制限に出てたから新人戦の規則は調べてないんでよくわからないんだが、わざわざ別大陸まで来て、しかも新人戦の予選に出てくるような事はしないだろう」

「そうだね、そんなに強い人がわざわざ出て来ないよね」

そう言っては見たものの、ぼくは嫌な予感しかしなかった。

「なんにせよまだまだ未熟なんだから、そんな事を気にするよりも自分磨きに精を出すんだな」

「そうだね、できるだけ頑張ってみるよ」

それからレイは僕の足さばきや盾と剣の使い方を一通り見終えると、守備隊の指導をして、僕を家まで送り届けてくれた。


次の日、授業中に轟音と共に山の谷間へ消えていく狩竜人船を見た、教室のみんなはそれを見て歓声を上げていたが、僕は一人涙を流していた。

僕は心の中では大きな声でさようなら、ありがとうと叫んでいたが、もう一人涙を流している先生を見て、僕は少しだけ笑顔を取り戻した。

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