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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第56話

遅い時間になってしまったため、守備隊の訓練も終わりにしてジェイジェイが家まで送ってくれる事になった。僕が誘拐をされてからまだ数日しか経っていないから、ジェイジェイが気を使ってくれたのだと思う。僕はそんな事よりも帰り道で、狩竜人の事やジェイジェイの事を聞く事が出来る方が嬉しい。

良く無い事では有るけれど、どうしてもレイと比べてしまう、話しをしてみるとジェイジェイの方がレイよりも教え方が上手いと思った。狩竜人としての腕前は僕には判断がつかないし比べる事では無いのかもしれない、二人で組んで竜と戦う以上、相手の実力を認めていないと安心して背中を任せられない・・・と、レイも言っていた気がする。

見た目は、ジェイジェイのトレードマークが目を引いてしまうため判断が難しいけど、帽子を被れば引き分けかな。

そんな失礼な事を僕が考えているとは露知らず、僕の質問に笑顔で答えてくれるジェイジェイとの帰り道は思ってた以上に楽しい時間だった。


次の日の学校が終わったらすぐに家に帰ると道場へ向かった、道場ではレイが指導にあたっていて、僕は嬉しくなりレイのもとへ駆け寄った。

「お、来たなシリル」

僕が声を掛ける前にレイが振り向きながら挨拶をしてきた、息を切らせながら僕も挨拶をした、

「昨日はジェイジェイに盾の使い方を教えて貰ったようだけど、どうだ、家に帰ってからおさらいをしたか」

「やったよ、やったけど寝る前にどたばたするなって怒られちゃった」

「どたばたするようじゃあまだまだだな、俺なら部屋の中で全力疾走しても怒られない自信が有るぞ」

昨日今日覚えたばかりの僕と張り合ってもしょうがないと思うけれど、こういう負けず嫌いなところは狩竜人には必要なのだろうか、仕方がないから僕は話しを合わせる事にした。

「そうですか、では師匠その極意を伝授してください」

僕の言葉にレイは笑顔になった後で小さく咳ばらいをして胸を張り、少し溜めを作ってから話し始めた、

「それはだな」

僕はレイの続く言葉を固唾を飲んで見守った、

「練習あるのみだ、そんなに簡単に会得できるもんじゃないぞ、とにかく練習あるのみ、時間が出来たら練習、どたばたするなと怒られたら、頭を使え。とにかく考えろ、足の運び方でも剣の振り方でも何でも良い。それこそあの竜はどんな味がするんだろうとか、何でも良いからとにかく頭を使うんだ」

「それで強くなれるの」

「ああ強くなれる、費やした時間は必ずお前を強くしてくれる。前に足を出した1歩はお前を必ず前へ進ませる、立ち止まったり、引き返したりする事も有るかもしれないが、後ろには下がるな、前に足を出すんだ」

一通り話し終えたレイが一息つくと、脇に置いてあった剣と盾に手を伸ばした。

「それじゃあ、少しづつでも前に進まないとな」

僕は返事をすると、レイと同じように剣と盾を手に取った。

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