僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第55話
「足さばきを訓練したら、今みたいに動けるようになるかな」
かなりご機嫌になったジェイジェイは、目を見開きながら顔を近付けて、
「すぐには無理だが、そうだな2年も休まずにやってればそれなりにはなるな」
「じゃあ、2年後の剣戟大会には間に合うかもね」
僕の言葉にジェイジェイは少し驚いたようだったが、すぐに笑顔に戻り小さく頷くと、
「ああ、2年後が楽しみだな、それじゃあ盾の使い方の基本から教えるぞ」
僕はその言葉で、今日の目的を思い出した。ジェイジェイは盾を構えながら僕の横に立つと、手本を見せながら、相対する相手から攻撃された時の盾の使い方を事細かに教えてくれた。
「これで一通りの使い方は教えたが、わからないところは有るか」
「攻撃の受け方はわかったけど、僕が攻撃する時はどうすれば良いの」
「俺は一通りの攻撃に、対する受け方を教えただろ」
僕は大きく頷いた、それを見たジェイジェイは満足そうな顔をすると、
「つまり一通りの攻撃の仕方も覚えたわけだ、基本は隙の有りそうなところに打ち込む、結局はそれが型の練習になるんだ。こう撃ち込んだ時に相手はこう盾を出すだろうからこう動かして、そうすると相手は撃ち返してくるからこう剣で払ったり盾で受け流したり、そうすると相手はこうなっているから・・・」
「つまり、型の練習はしなくても、想像の相手と戦っていれば、それが自然と型の練習になっていると」
「まあそう言う事だ、結局は身体から生えている腕は二本だし、頭の上から・・・」
そう言ってジェイジェイは僕の股間を掴んだ、僕は驚いて飛び上がるとジェイジェイは大笑いしながら、
「頭の上から股間まで、どこに剣が当たっても致命傷になる、だからそこへの攻撃を盾や剣で受ける。こう言われてみると簡単に聞こえるだろ」
股間を押さえながら僕は再び大きく頷いた、
「本能的に大事なところは守るように身体は動くように出来ているから、後はどうやってそこに剣を撃ち込むかだけど・・・」
再び僕の股間ジェイジェイは狙って来たけれど、うすうす感づいていた僕はジェイジェイの手をさっと避けると、
「やるじゃないかシリル、それだ。わかっている攻撃なら対処が出来る、でも俺の最初の攻撃はわからなかったから掴まれただろ」
「二度も掴まれたらたまったもんじゃないからね、何となく気を付けてたんだ」
僕は少し得意気に答えた、ジェイジェイは少しだけ悔しそうな顔を見せたが、すぐに笑顔に戻り話しを続けた、
「つまりお前が考えられる攻撃を相手がしてきたのなら、お前には対処が出来る、それは相手も同じことだ。だから相手を想定して撃ち込ませて受け流す、そして、こっちからの攻撃は当然相手も受け流してくる」
「そうすると、全然攻撃は当たらないね」
「そこで攻撃を当てる工夫をするんだけど、今日はもう遅いから明日にしようか」
そう言われてみると、日が沈みかけている事に気付いた、
「明日もジェイジェイは道場に来る?」
「ああ、明日はレイに変わって貰うかも知れない、って言うか、本当なら全部レイの野郎がやらないといかんのだがな。シリル、お前からも言ってやってくれ」
「はい、わかりました師匠」
僕の言葉にジェイジェイは嬉しそうにしていた。




