僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第50話
僕たちは甲板から船内へ戻り、レイが再び船内を案内してくれることになった。シンディは僕の家の手伝いが有るため、ぼくたちより一足先に船から出て行った。やったあ今日はまたカレーが食べられる。
狩竜人の事も気になるが、やはり目先のご馳走に目が眩まない訳が無い、明日から狩竜人になる、と言ってなれるものでは無いし、まだ2年も学校へ行かなければならないからだ。
「なんだかさっきから俺の話しに上の空だな、いったいどうしたんだ」
僕が考え事をしていたため、気になったのかレイが問い掛けて来た、正直に狩竜人になるためにどうしたら良いかを尋ねると、
「それは、俺がアル船長に明日からよろしくと言ったら狩竜人になれるけど、恐らくお前が気になっているのはそう言う事じゃあ無いんだろ」
僕は大きく頷いた、いつものレイとは違い狩竜人の話しになると真面目に答えてくれるようだ、
「前も言ったと思うが、それ系の学校に行くか、剣戟大会でいい成績を残すか、そうすればどこからか声がかかると思うけど、今からでも、明日からでも来年からでも良い、とにかくそうなりたいと思って日々鍛錬する事だな」
「鍛錬って何をすれば良いのかな」
「そうだな、走っても良いし剣を振っても良いし、それこそ竜の生態を勉強したって良い。やりたいことをやりたいだけやる、とりあえずは名前だけでも剣戟大会の代表者なんだから、それだけでも他の連中に比べたら有利なんだぜ」
「そうか、それなら代表になった意味もあるね」
「まあ、それが目的じゃなかったけどな」
僕はレイの言った事の意味が解らず首を傾げていたけれど、レイはそれ以上の事は何も言わなかった。
船内の見学出来る所はほぼ見終わり、船外に降ろしてある魔力炉を見せて貰う事にした。
船の後部は大きく口を開け、そこにあっただろう魔力炉は地面に降ろされていた。初めて見る魔力炉は大きな筒の周りに色々な物が取り付けられ、非常に複雑な構造をしているが、これを修理しているのが僕の父親だと思うと誇らしく思えた。
「俺も詳しくは無いが、魔力を取り出すところは大丈夫だったんだが、取り出した魔力を変換するところだか、なんだかってところに大きな負荷がかかったらしくて、それが原因で壊れたんだと・・・、ってこれでわかるか」
「僕も何が何やらわからないから、その説明で十分だよ。そうか、お父さんはこれを修理してたんだ。凄いね」
僕は思わずレイに同意を求めてしまった、何が何やらわからない物の修理を凄いと言われても、レイも困るのではないかと後から気付いたけど、その時はレイも、僕と同じようなキラキラした目で、魔力炉を見ながら同意してくれた。




