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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第49話

僕が持っている知識なんて全然大した事は無い事は自分でもわかっている、それでも無い知恵を働かせて教えて貰った2匹の竜の事について考えてみた。

火山に住む魚竜という事は、恐らく溶岩の中を泳いでいるのでは無いだろうか、だとすると身体を覆う鱗は熱に強い事は容易に推測できる。逆に言えば冷気には弱いのかもしれない、陸に揚げてしばらくしたら溶岩の様に身体が固まって、身動きが取れなくなるかもしれない。

砂漠の水鳥竜についても考えてみた、水鳥と言うからには羽毛が生えていて、オアシスの様な水のある所に潜んでいるのだろう。砂漠にオアシスと言われる水場がどれだけあるのかわからないけれど、水と切っても切れない関係だろうという事は推測できる。

全部憶測だから間違っているかもしれない、それでも僕の心のワクワクが止まらなくなっているのを感じた。名前だけでも価値が有る、そう言ったオードリーの言葉に嘘は無いだろう。竜を狩って生活をしている人たちなら、僕が考えた事よりももっと多くの事が培った経験から導き出されるだろう。情報を集め、出来る限りの準備をして、命がけで未確認の竜に挑む。毎年数多くの死人が出ても狩竜人はその数を減らさない、その意味が分かった気がした。

「もっと、色々と知りたいな」

その言葉がどれだけ危険な事なのかその時の僕にはわかっていなかった、名前だけでも価値のある竜の事を知りたいと思っているのは僕だけでは無いという事を、そのためにお金を払うのならば良いけれど、そうで無い手段で知ろうとする人たちも少なからずいる事を。

「そうね、それじゃあ私の部屋へ来ると良いわ。もっとたくさん教えてあげる・・・と言いたいところだけど、これ以上はダメ、もうちょっと大人になってからね」

そう言ってオードリーは優しく僕の頭を撫で、頬に口づけをするとくるりと振り返って船内に戻って行ってしまった。僕の頬に契りを残して。

頬をさすりながらオードリーを呆然と見送る僕を見逃すわけも無く、レイがまた何やらからかいだしたが、今の僕にはその言葉は何も響かなかった。僕は狩竜人になりたい、その事ばかり考えていたから。




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