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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第48話

僕とシンディが甲板にある傷の事で話していると、レイが笑い終えたの甲板に姿を現した。

「ちょうど良いところに来たね、このひっかき傷の話しをシリルにしてあげてよ」

シンディが甲板に残された、僕の身長ほども有る長いひっかき傷を指差してレイを手招きした。

「どの傷のことだ・・・って、ああこれは確か獣竜の・・・名前って決まったんだっけ」

「そうか、あの時のだったっけ、あれから2年ぐらい経ってるから決まってると思うけど」

「ちょっと待って、名前も決まって無い竜なんて居るの」

僕の疑問にシンディとレイはぽかーんとしていたけれど、直ぐに僕たちの常識と自分たちの常識に剥離が有る事に気付き、

「そうだな、まず名前が有る竜なんてのが、そもそも少ないんだ」

「そんな事は無いよ、僕が竜について色々と調べたけど全部名前は付いていたよ」

「それは逆だよ、名前が有るからお前が調べれる本に載っているんだよ」

「どういう事?」

レイの言う事に理解が及ばずに、僕はさらに訳が分からなくなってしまった、

「つまりだな、竜を狩るって事はとても大変だから、本には載らないんだよ」

「・・・レイってさ、本当に説明が下手だよね」

僕の辛辣な一言にレイは驚いた顔をしていた、それを見ていたシンディは腹を抱えて大声で笑い始めた、

「竜を狩るととても大きな利益が出るの、そして、どうやって狩るのかもお金になるのよ」

いつの間にかオードリーが僕のすぐ後ろに立っていて、レイの言わんとしていた事の補足説明をしてくれた、

「本に載っているような竜は、その生態も研究されつくしていて、一般人の目にも留まるけれど、まだ誰も狩ったことが無い竜の生態は、それだけでも価値が有るのよ。当然、その姿のスケッチですら高値で取引されているわ。角が有るのか爪が有るのか、獣竜なのか鳥竜なのかとかね」

「獣竜とか鳥竜てどういう事なの、ただ竜と呼んじゃダメなの」

「ダメじゃないわ、でも名前が決まって無いからって全部を竜って呼んでいたら、何が何だかわからないでしょ。だから、毛が生えていたら獣竜、羽毛だったら鳥竜、鱗に覆われていたら魚竜、空を飛んでいたら飛竜、その組み合わせだったり分類が難しかったら未知の竜としてるの、昔の人が決めた事だけど不都合が無いから今でもそのままなのよ、適当に呼んでも誰も文句は言わないしね、第一発見者にみんな従うわ、それと生息地域とか体の色とか火を吐くだとかでドログ火山帯の魚竜とか、アリリ砂漠の水鳥竜とかね」

「へえ、そうなんだ、でもそのドロなんとかって竜は僕の見た本には載って無かったよ」

「それはそうよ、狩竜人でも知ってる人は少ないんだもの、だから、情報屋に売っちゃダメよ、名前だけでも価値が有るんだから」

僕の耳元まで顔を近付けて呟くように話しているオードリーを見ながら、レイとシンディは深刻な顔をして何やら耳打ちをしていた、どうやら今僕が聞いた話は本当に内緒の事だったようだ。

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