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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第45話

ある種の興奮状態から戻った僕は、再び的へ目を向けた。僕の後ろではまだレイとアル船長が笑い転げているが、冷静さを取り戻した僕にはそんな雑音はだんだんと耳に届かなくなっていった。

世界から僕が切り離されていく、そこに有るのは僕と的に描かれている中心の円だけ、不思議とあれだけ大きかった的から一つ、また一つと円が消えて行き、最後に中心の円だけが残った。

構えた魔砲から弾が放たれる、音の消えた世界で確かに的に弾が当たった音を聞いた。

「凄いじゃないシリル、初めてで当てれるのは才能有るわよ」

シンディの間に抱きかかえられ、喜びと喜びに挟まれながら気持ち良くなっていると、笑い転げていたはずのレイとアル船長も歓喜の輪に加わった。

「やるじゃないかシリル、端っことは言え的に当てるなんて、もしかしたらジェイジェイよりも上手いかもな」

そう言うとレイは再び大笑いしだした、アル船長も同じような事を言おうとしていたのか、何かを言いかけたがレイの言葉を聞いて何も言わずに大笑いしている。

「変な人達ね、何がそんなに面白いのかしら」

シンディは何で二人が笑っているのかわかっていないのか、笑い転げている二人を不思議そうに眺めている。僕はせめてシンディにはバレて欲しくなかったので、二人を置いて船内の見学をしたいと伝えた。

即答で了承をしてくれたシンディが先導でスロープを登り船内へ戻った。

「ちょっと待っててね、これ片付けるから」

そう言ってシンディは僕から受け取った魔砲と、自分で持っていた魔砲を元有った場所であろう所へ戻した。その隣にはシェリーと刻印のある魔砲を見つけ、僕はほんの少しだけ理由はわからないけれどほんの少しだけシンディを恨んだ。

「じゃあ上から順番に見て行こうかな、それじゃあまず艦橋へ行きましょうか」

先導してくれるシンディの後を付いて行き階段を上がると、それまでが人が行違うぐらいの広さしかなかった通路からぱっと視界が開けた。立っている場所から首を動かすだけでほぼ全方位を見渡す事が出来て、真ん中には大仰しいほどの豪華な椅子が設置されている、この船の事を知らない僕から見ても船長の椅子だと直ぐにわかった。その先には大きな丸い舵輪が見え、その両脇には棒のようなものが何本も有り、どれがどの役目かはわからないけれど、恐らく速度と高度を調整するための物だろうと思う。この辺りは本で読んで予習をしてきたおかげで理解が出来たけれど、まだその左右に色々な計器やらボタンやレバーが有るけれど、それらについてはシンディに尋ねてみたけれど、触った事は無いし、聞いた事も無いからわからないと言われた。近くで書かれている文字を読んで何かわからないかと思ったけれど、今の僕にはまだ知識不足でほとんどがわからなかったが、錨の上げ下げと船首の開け閉めだろうレバーはわかった。

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