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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第27話

僕が大きく頷いているとレイが僕に持っていた槍を渡してきた、僕がそれを受け取るとレイが僕の剣と片手剣を受け取り、

「今からそれで俺を突いてみろ。どう動いても良いが前から突いて俺に当たると思うなよ」

真正面からではレイに太刀打ち出来るわけが無い、そんな事はわかっているから僕はレイを中心にぐるぐると回り始めた、しかし僕がどれだけ早歩きで回り込もうとしてもレイが一歩、二歩と動かすだけで僕を正面に捉えている。そのうち僕は疲れてしまい、降参することにした。

「簡単に後ろに回り込むなんて出来ないね」

レイは肩で息をしている僕から再び槍を受け取ると、

「シリル、それじゃあ交代してみようか、俺がどう動いていたか見ていなかったら結構難しいぞ」

どう動いていたも何も足を前後に動かしていただけだろうと高をくくっていたが、いざやってみるとそれは思っていた物と違っていた。

僕はレイから一定の距離を取って後ろに回り込もうとしていたが、レイは近付いてきたり逆方向に回ったりと色々と工夫をこらして攻めて来た。

そのたびに僕はレイに回り込まれまいとして必死に動き回っていたが、ついには足がもつれて尻もちをついてしまった。当然そうなってしまってはレイに簡単に後ろに回り込まれ、コツリと槍で突かれて負けてしまった。

「どうだ、思ったよりも難しかっただろう」

勝ち誇ったようなレイを見て少し悔しかったが、あれだけ激しく動いたにも関わらず、まったく息の上がっていないレイを凄いと思った。

「でも僕が尻もちをつかなかったら、まだ回り込まれて無かったと思うよ」

口を開いたら悔しさが先に出てしまった、そんな僕をみてレイは笑いながら、

「悔しいって思う事は間違っていないさ、負けても良いと思うよりも勝ちたいと思う事は良い事だ。ただ俺に勝ちたいって思うのは少し無謀だがな」

僕は更に悔しい気持ちが溢れて来た、とはいえ今のままではレイにはとても敵わないので、いつか何かで返せる時まで、この気持ちはしまって置いこう。

「それじゃあ尻もちをつかないように足の動きを教えるぞ。まず正面に立っている相手に対して右足はこう、左足はこう」

僕はそれに続く、

「右に動いた時はこう、左に動いた時はこう」

以下略


「よし、大体わかって来たな、これが出来れば町中で人にぶつからずに走ることも出来るし、マリーとダンスする時にも役に立つぞ」

僕がマリーとダンスする事なんて無いと思うけど、人にぶつからずに歩けるのは良いな、今日から練習しよう。

「じゃあ今日教えるのはここまでだ、俺はもう少し稽古をつけてから帰るから、シェリーかシンディに少し遅くなると言って置いてくれ」

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