僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第26話
「ようし次はシリル、お前の番だな」
レイが武器棚から適当に見繕って僕の前に並べ、どれを練習したいのか選ばせてくれた。
僕はそう言われても長いか短いかぐらいしかわからないため、選べずに困っているとレイがそれぞれの使い方を説明し始めた。
「これが片手剣、長いのは両手剣だな。この前まで剣戟大会では片手剣しか使えなかったけど、今は何でも使えるから大会では使うやつは減ったな。ただ、大体の守備隊は槍か片手剣だから、覚えておいて損は無いかもな。んで両手剣は、まあ片手剣が長くなっただけ、と思っておいてもそんなに違いは無い、盾を持たない分相手の攻撃をさばいたり避けたりが必要になるけど、それは片手剣だろうと槍だろうと結局は同じだからな。そして槍は見ての通り遠くから攻撃する事が出来る、と言っても魔砲と比べれる物じゃない。これは実物と違うから比べられないけれど、思ったよりも軽いから盾を持つことも出来る。そしてここには無いがこれよりも長い槍も有るけど、それは両手で持つし多人数で囲んで近付かせないようにするんだ。草原なんかで獲物を狩ったりするのには良いけど、相手よりも数が多くないと懐に入られて、逆に一方的にやられちゃうから余りお勧めはしないな、教えるって言っても相手に向かって突き出すぐらいしか無いし。あとは槍の先に剣を付けた様な物や、片手剣じゃなくて、斧やこん棒なんかも持ったりすることも有るけど、そう使い方は変わったりしないかな。どうだシリル、何か気に入った武器は有るか」
レイの丁寧な説明で大体の使い方はわかった、とは言っても、使い方がわかったとして、使う目的が無いから悩んでしまう。
「レイさんの得意な武器は何ですか」
結論を出す事が出来なかったため、他人の答えに委ねる事にした。どれを訓練したとしても使い道が無いのならば、レイの得意な武器で良いや。そう思ってレイに尋ねたが、返ってきた答えは意外な答えだった。
「俺か、俺みたいな狩竜人は武器に得手、不得手の無いようにしてるからなぁ。ああそうだ、魔砲ははっきりと苦手だな、シェリーやシンディのが絶対に俺よりも使い方は上手だ」
「それじゃあ答えになってないよ、得意なものを教えて貰おうと思ったのに」
「そうか、うーん得意って事は無いけど、ここに居るみんなと一緒に訓練が出来るから片手剣にするか。上達したら守備隊に入れて貰えるかもしれないしな」
守備隊に入りたいと思ったことは無いけど、断る理由も無いので片手剣を教えて貰う事にする。
「よし、じゃあシリル剣と盾を持って、そうしたら、その場から動かないで」
そう言ってレイは置いてあった短めの槍を手に持ち、僕の正面に立って槍を突き出してきた、
「振り払ってみて」
レイの言葉に僕は左手に持っている盾を使って槍を受け流した、続いてレイが僕の左側に回り込み同じように槍を突き出した、僕は先ほどと同じように盾で受け流した。
そこでレイが更に左側に回り込んで槍を突き出すと、僕はどうやっても受け流す事が出来なかった。
「それが人間の限界だ、俺だろうとジェイジェイだろうとこれは変わらない。つまり俺の位置からなら誰が相手でも一方的に攻撃が出来るって事だ」
なるほど、確かに突かれる事がわかっていても全く抗う事が出来ない。




