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僕がただ竜を殺すだけの物語 第1章 運命の出会い 第25話

昨日と同じように折れた長剣を振り回しながら下校していた。

夢の中では華麗に巨大生物と戦っていた僕だったが、現実では振り廻しているだけで息が上がり、一方的に切り付けて何とか息の根を止めたは良いが、二匹目は見逃さざるを得なかった。

そんな僕を見つけて、レイが声を掛けながら近付いて来た。

「おうシリルじゃねーか、今帰りか」

「こんにちは、今から帰るとこです」

「なかなか楽しそうに振り廻していたけど、結構気に入ってるのか」

何か嫌な気配を感じた僕は、手に持っていた剣をすぐにカバンに仕舞った、

「折れた剣よりもきちんとした剣を振れよ、よし、特別に俺がお前にも稽古つけてやるよ」

レイは昨日の騒動の時に素性がバレてしまい、町長から直々に守備隊の訓練を任されたと言っていた。狩竜人船の修理が終わるまでの短い期間だけ、という条件を付けて承諾したようで、これから道場へ行くところでたまたま僕と出会ったらしい。

「すいません、他の人の迷惑になるといけませんので」

「気にするなって、俺が良いって言ったらみんなは納得するから」

そう言われてもレイの言葉をそのまま信用する気にはなれない、ちょっと話しを盛る癖が有るみたいなので、話半分くらいでちょうどいいだろう。

「それに、あのお前の友達の女の子、マリーって言ったっけ、あの子にも恰好良いところ見せてやれよ」

なんでマリーが出てくるのか全然わからないけれど、そこまで言うのなら少しだけならやってみても良いかも知れない、きつかったら見学してても良いんだし。

僕がそう伝えると、レイは笑いながら僕の背中を叩いて、

「わかってるって、他の連中はともかく、子供に無茶な訓練はしないよ」

ここはレイの言葉を信じておこう。


道場への道のりで以前教えた道が少し違っていた事に気付いたが、レイはその事に気付いていない様なので黙っておいた、まあ道が一本違うくらい大したことじゃないしね。

道場へ入るとすでに守備隊の人達が汗を流していた、事前に準備運動をしておくように伝えていたみたいで、レイが道場の真ん中に進んで行き、

「今から訓練を始めます、ここに集まって」

と守備隊のみんなに声を掛けた、集まって来た人たちの顔を見ると、お店に押しかけて来ていた男たちが元々の門下生として居る事に気付いた。僕の顔を覚えているかはわからないけれど、レイが一緒なら僕が何かされるような事は無いだろう。

「今までどういう訓練をしていたかを知りたいから、少し実演してもらえるかな」

レイはそう言うと守備隊の人達では無くて、元の門下生に実演をするように促した。剣と盾を持った門下生は一通りの演武を披露した。レイはそれを見終えると、

「それは1対1の試合のための練習だな、一つ聞くけど盗賊やらは常に一人なのか」

レイは守備隊の人に尋ねると守備隊の人達は顔を見合わせた後で、

「一人じゃない時も有ります」

「だよな、俺が教えれる期間は短いから、とにかく実戦で役に立つ事を教える事にしよう」

レイはすぐに演舞の動きに変化を加え、それがどう作用しているのか僕には余り理解が出来なかったけれど、門下生の演武は視線を動かすことなく一点を見据えていたのに対し、レイの演武は常に周りに目を配っている様に見えた。

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