第一章3 【9月28日/初等部4年生初日】3/二つのラストナンバーを持つ2人のヒロイン?
【芳一】は、遅めの朝食を食べながら【芳果】と【芳寿】と午後から何をするか相談していた。
その時の会話で、
「君達みたいに【御神体】と【怨魔体】の両方と契約したのって僕だけなのかな?」
と素朴な質問をした。
【2体目】の【御神体】と契約した【能活】と【3体目】の【御神体】と契約した【神宮姉妹】も【怨魔体】とは契約していない。
【芳果】が他の【御神体】の事を感じ取っていた様に、【芳寿】も他の【怨魔体】の事を感じ取れないかと思って聞いてみたのだ。
【芳寿】は、
『多分、違うと思うわ』
と言った。
【芳果】も、
『だろうな。我もそう思う』
と言った。
どうやら2人とも何となく解っている様だ。
【芳一】が、
「じゃあ、僕と同じ様に両方と契約した人って居るの?」
と聞くと、【芳果】は、
『我が感じ取っている【御神体】の近くに禍々しき反応がある。
それは恐らく【怨魔体】だろう。どうやら、お前の他に2人お前と同じ立場の人間が居る様だ』
と言うと、【芳寿】は、
『そうね。妾の予想だと、【6体目の御神体】の側に、【5体目の怨魔体】、【7体目の御神体】の側に【6体目の怨魔体】の反応があると思うわ。
妾達、【怨魔体】は比較的相性の良い【御神体】の近くに現れる性質があるからね。
例えば、私は【魔鏡】の【怨魔体】だから、【御神体】は、鏡と相性の良い、【女】の【御神体】だった【芳果】の側に現れたみたいにね。
その法則で考えると、【6体目の御神体】は、【子供】だから、相性の良いのは【5体目の怨魔体】の【本】、【7体目の御神体】は、【人形】だから、相性の良いのは【6体目の怨魔体】の【ぬいぐるみ】あたりだと思うわ。
契約したのはどちらも若い女の子って感じね。
良かったわね。どちらかが貴方の物語のヒロインになるかも知れないわよ』
と言ってきた。
「ど、どういう意味?」
『こういう展開って宿命のライバルって感じじゃない?それが若い女の子だってんならもう、恋するしか無いじゃない』
「そんな無茶苦茶な」
『そうじゃ。強引過ぎる解釈じゃ。それにその2人、この国にはおらん様だぞ。
海外の者じゃ。反応がここから遠すぎる。すぐには会えんだろう』
「外国人なの?」
『恐らくな。言葉の問題もあるだろう。そもそも、【日本】と言う狭い島国に、3人も契約者が居ることが珍しいのじゃ。
【日本】が【アニメ】や【漫画】などが盛んで、【創造性】が高い環境にある事と古今東西の無数のアレンジが生まれている環境であると言う事、日本ほど多様な文化は世界的に珍しいと言う事、また、【夢異世界部活学校】は【日本】の【東京】生まれであり、【学校】の考え方が【日本ベース】になっており、【日本語】が出来ると言うのが最低条件になっておるから、海外の【人間】からすれば狭き門なのじゃろう。
それでお前と【天村 能活】と【神宮姉妹】の3組が選ばれたのじゃ。
あくまでもそれは【日本】に有利な条件が揃っておるからじゃ。
その条件を突破したのが、【5体目の御神体】と契約している【24作の神歌】を作りし【黒人の男】と【6体目の御神体】と【5体目の怨魔体】と契約している【24作のバーチャルキャラクター(Vチューバーとしてのアバター)】を作りし【金髪の少女】、【7体目の御神体】と【6体目の怨魔体】と契約している【24作の彫刻絵画(彫刻と絵画を合わせた物)】を作りし【銀髪の少女】と言う事になる。
恐らく他の【怨魔体】と契約しとるのも日本人では無く、外人というやつだろう』
『そうね。【1体目の怨魔体】と契約しているのは、【13作の作られた架空の伝説をヴォイス・ドラマ】として制作しようとしている【ビジネスパートナー3人組】、
【2体目の怨魔体】と契約しているのは、【13作の仕掛け絵本】を作ろうとしている1人、
【3体目の怨魔体】と契約しているのは、【13作の夢想するための架空の伝説の図鑑/画集】を作ろうとしている恋人同士、
って事になっているわね。
つまり、【御神体】と【怨魔体】に選ばれたのは全部で13人居るって事ね』
「え?どういう事」
『我と悪魔の話をまとめれば、13人になると言う事じゃ。
【1体目の御神体】は【夢異世界部活学校】の要となっており、
【アイテム】を化身として顕現させる【2体目の御神体】と契約したのが【24作のアニメーション】を作ろうとしている【天村 能活】、
【動物】を化身として顕現させる【3体目の御神体】と契約したのが【24作の漫画】を作ろうとしている【神宮 美彩】と【神宮 雛鞠】の姉妹、
【女】を化身として顕現させる【4体目の御神体】と【魔鏡】を化身として顕現させる【4体目の怨魔体】と契約したのが【24作の小説】を作ろうとしている【唯野 芳一】、つまり、お前じゃ。
【衣装】を化身として顕現させる【5体目の御神体】と契約したのは、【24作の神歌】を作りし【黒人の男】、
【子供】を化身として顕現させる【6体目の御神体】と【本】を化身として顕現させる【5体目の怨魔体】と契約したのは【24作のバーチャルキャラクター(Vチューバーとしてのアバター)】を作りし【金髪の少女】、
【人形】を化身として顕現させる【7体目の御神体】と【ぬいぐるみ】を化身として顕現させる【6体目の怨魔体】と契約したのは【24作の彫刻絵画(彫刻と絵画を合わせた物)】を作りし【銀髪の少女】、
【男】を化身として顕現させる【1体目の怨魔体】と契約したのは【13作の作られた架空の伝説をヴォイス・ドラマ】として制作しようとしている【ビジネスパートナー3人組】、
【美術品】を化身として顕現させる【2体目の怨魔体】と契約したのは【13作の仕掛け絵本】を作ろうとしている1人、
【武器】を化身として顕現させる【3体目の怨魔体】と契約したのは【13作の夢想するための架空の伝説の図鑑/画集】を作ろうとしている恋人同士、
その契約者の人数を全部、足してみろ。
13人になるでは無いか。
お前は数学が得意なのでは無いのか?単純な足し算も出来んのか?』
「いや、化身とか創作物とか色々複雑な言葉がデコレーションされてついていたからよく解らなかったんだよ」
『では、今の説明で理解したな。ところでお前、外国語は出来るのか?』
「いや、今は翻訳ツールとか色々出ているけど、直接の会話は難しいんじゃないかな?
英語の成績とか最悪だったし。数学は得意だったけど」
『ならば恋とやらの発展は無いな。まぁ、相手は日本語は出来るだろうが、母国語では無いだろうから会話ははずまぬな。日本と海外では物の考え方も異なるだろうしな』
『そんなのわかんないじゃない。言葉の壁を越えて愛し合うって事も考えられるわよ』
『こやつにそんな甲斐性があると思うか?』
『う~ん、ちょっと無いかなぁ』
『そうであろう?こやつにラブストーリーを期待する方が無理な話だ。
恋愛が得意ならとっくに結婚しておるだろうからな。37まで独り身じゃ。
ろくな恋愛はしておらんだろう』
「あの、本人の前でそう言う話は止めてもらえます。切なくなるんで」
『そうね。図星だものね』
『まぁ、気にするな。我らが居るではないか。おなごはそれで十分であろう』
「君達、人間じゃないじゃない。僕も恋愛するなら人間の子が良いよ。
まぁ、今の状況じゃ、恋愛している余裕なんか無いけどね」
『そう言う事だ。お前は素直に【覇王】/神の化身【無限量主】を目指せば良い』
『ちょっと待ってよ、貴方は【覇王】/悪魔の化身【虚無深帝】を目指すのよ。【覇王】/神の化身【無限量主】なんか目指さなくて良いわ。 24作も小説作るのって面倒でしょ。
13作作ればそれで十分じゃない。そっちにしましょうよ』
『黙れ、こやつは我が先に目を付けたのじゃ。後から来た奴が文句を言うな』
『先とか後とか関係ないわ。本人がどっちを望むかよ』
「ちょっと2人とも朝っぱらから止めてよ。飯が不味くなる」
と言うやりとりがあったのだった。
こんな感じの日常が今の彼のいつもの光景となっていた。