君の名は
まず初めに思ったことはみぞおちが死ぬほど痛いということだった。痛すぎる、これは絶対あざになるし、肋骨も1,2本くらい折れているかもしれない。折れていたらお師匠様は心配してくれるだろうか。
そこまで考えて待って今どういう状況!?と一気に覚醒した。反射的に跳ね起きようとして、みぞおちが痛すぎたのと、体が自由に動かないことの両方に苛立って最悪〜とうめく。
「起きたか」
出、出〜、今回の私のターゲットこと八雲とかいう男。見りゃわかるだろ起きたよ両腕拘束された状態で!怪我が痛まないような体制で転がされてることに気づいて、みじめな気持ちになる。
ああ本当なら1,2,3でこいつの首切って終了だったのに。ごめんなさいお師匠様わたしってばほんt...
「起きたならお前のボスの名前を言え」
誰が言うかばーか、口を割らされる前に死んでやる!
「ちょっ、おいおいどうなってんだよ馬鹿かおい!」
「おえっ、げほげほ」
舌を噛もうとしたのを察して、ものすごい早さで距離を詰められ口の中に手を入れられた。ああ私はお師匠様のために死ぬことすらできない、こいつのせいで!!
思いっきり八雲を睨みつけると目があう。一重の細い目、薄い唇、存在感のない鼻、全体的に薄く冷たい印象の顔に、驚きが載っているギャップが面白い。ざまみろと動きを止めた私を見て、八雲はため息をついた。
「いいよじゃあこれだけ聞かせて、君の名前は?」
BGMはもちろん君の前前前世から僕は〜♪で