第52話 学園編⑬ 萌葱の新しい相棒
「別に辛いとか思った事はないよ。つか手を離してくれる。」
「嫌です!お友達になってくれるまで離しません!」
彼女の何かに火が点いてしまったと感じ、この場から逃げ出すことだけをを考える。
(中学の時にもいたよな、変に正義感が強くてお節介なやつ。
親が宗教に被れてて、自分も洗脳されてるのに気がつかない。
こいつの婆さんも何か宗教っぽいし、苦手なんだよな。
いっそ脅しをかけて、いや逆効果だな。
ここはひとまず友達を承諾して逃げ回ればいいか?
ああ、でもこいつ帰宅部ぽいな。
いつも待ち伏せされるのもやだな。
茶道部をサボると桔梗が伊集院に何をされるか知れたもんじゃない。
ああ、面倒くせえ。
そうだ、私と一緒にいると怖い目に合うと思わせればいいんじゃないか。
こいつ処女だよな。どう見ても男は知らなさそうだし。
チャラ男とかにナンパされたら、逃げ出すんじゃないか。
いや、こちらから恐そうな男をナンパしてみるか。
よし!決めた!恐男ナンパ作戦だ!)
考えをまとめると、ニコリと笑って波多野に話しかけた。
「波多野さん、お友達になるのはいいけど、私のすることを邪魔しないでほしいの。私、男と遊ぶのが好きなの。
これから、男をナンパしに行くけど一緒に来る?」
「花園さん!あなた、もしかして売春グループに所属しているの?!」
萌葱はこんなところで、あの話に遭遇するとは思ってもみなかった。
「何?そんなのあるの?面白そう教えてくれない?」
萌葱は逃げられないように握られた手を逆に握り返した。
「私のクラスでひとり補導された子がいて、その子が売春グループの一員だったの。その子は隠すことなく自分から喋るから耳に入ってしまって。
でも、先生にきつく注意されてから、言いまわることは無くなったんだけど。実は私も誘われたことがあるの。
断ったら二度と誘われる事はなくなったけど。」
「何て言って誘われたの?」
「一緒に男をナンパしに行かないかって。
見返りにイケメンとのデートとお小遣いが貰えるよって言われて、イケメンの写真を見せられたわ。」
「ふーん。どんな男だった?」
「すごくカッコよかった!今まで見た事ない位!吉沢くん並!」
目を輝かせて思い出す表情を見て、案外ミーハーなのかと思い直す。
「で、なんで断った?」
「当たり前でしょう!結婚するまで綺麗な体でいるのは女の常識です。
どんなにイケメンでも、そこは守ります!」
(やっぱり処女か。貞操観念も筋金入りだ。)
「なんで、誘われたと思う?」
「それは、友達がいなくて、守ってくれる人もいないからだと思う。」
「守ってくれる人?」
「学園内に派閥があります。大きな財閥の子とお友達になれば、庇護下に置かれて守られます。」
「なるほどねー。」
(私達はいきなり大財閥の庇護下に置かれた訳か。
どうりで一庶民の割に待遇が良かったわけね。
でも、そうすると悪人が近寄ってこないか。
捜査が進展しないわけだね。
これは、一度人間関係を見直さないとね。こいつを利用するか?)
萌葱の秘めていた悪い一面が顔を覗かせる。
一度は封印した「人の心を弄ぶという行為」が、徐々に封印から解かれようとしていた。
「色々と教えてくれてありがとう。
あなたはいい人ね。これからもいい友達でいてね。
私のことは萌葱と呼んで。呼び捨てでいいから。
私も正美と呼ぶわ。いいでしょう?」
「本当に!ありがとう花園さん!」
「ちがうでしょう。もう一度呼び直して。」
「も、萌葱!」
「正美!」
2人は顔を見合わせて笑いあった。
その夜、正美から得た情報をママと六花に伝えて、今後の対策について話し合いを行った。
「なるほどね。それで萌葱は単独行動、いやその正美ちゃんと行動を共にして、囮捜査を行いたいということね。」
扶桑は頭を抱えて、指で机をトントンと叩いていた。
「私は反対です。萌葱は大丈夫だと思うけど、正美ちゃんを危険に晒すのはダメよ。」
「でも、このままじゃ捜査が進まないよ!」
「焦らなくていいのよ萌葱。
そもそも犯人を捕まえるのがあなた達の役目ではないでしょう。
なにかしらの情報を得られればいいのよ。
だから、今回みたいに情報を話してくれて、とても助かる。」
それでも萌葱は納得のいかない表情を崩さない。
「半年後にAKBF33でのデビューコンサートがあるんでしょう。
そちらに注力したらいいんじゃない?
私はとても楽しみにしているのよ。ねっ、萌葱。」
「わかりました。」
萌葱は俯いたまま通話を終え、自室に戻っていった。
その夜、雌ゴリラと狼牙だけで、再びテレビ通話が行われた。
「萌葱心配だな。なにか思いつめているな。」
「あの子真面目だからね。結果が出ない事を悔やんでいるのだろう。」
日向と伊勢が揃って息を吐く。
「普段から大人しいし、あまりはしゃがない子だからね。
ストレスが溜まっているのかも知れないね。
狼牙くん、ちゃんと相手をしている?」
「それがな、ローテの日が来ても体調不良でスルーするんだよ。」
あら!と驚きとも困惑とも取れない表情になる山城。
「意外だわ!狼牙くん避けられてる?」
「長門、茶化さないでくれ。俺だってわりかし凹んでるんだ。」
「狼牙くんは嫌われること、滅多にないからね。男にも。」
「怒るぞ陸奥。」
狼牙は怒ってそっぽを向いた。
「冗談はさておき。あまり思いつめて暴走されても困る。
私の先輩でうってつけの人がいるから、手伝いをお願いする。
山城、総理とのアポお願い。」
「了解、扶桑。彼女ね?」
「うん。」
山城がにやにやしながら指でOKサインを作った。
浅草署、少年育成課勤務、井上 遥警部補が署長室に呼び出される。
井上は臨時職務として、私立ミスカトニック女子学園への出向辞令がくだされた。
「あのう、署長。つかぬ事を伺いますが、教師としてですよね。」
署長は井上の頭からつま先まで見て、溜息を吐いた。
「お前のような教師がどこにいる?」
「で、ですよねー。しかし、ちょっち年齢がその犯罪レベルかなって。」
「安心しろ。むしろ中学生でもいけるレベルだ。」
「それはセクハラ?モラハラ?」
「つべこべ言っとらんで、この住所を訪ねて打ち合わせをしてこい!」
「はい!」
井上は敬礼をするとパタパタと走り去っていった。
「この住所、噂の幽霊屋敷じゃない。人が住めるんだ。」
井上はナビに住所を入力すると、クルマを発進させた。
「ビー!」
薄葉邸の呼び鈴が鳴り、夕食の仕込みを中断して狼牙が玄関を開けた。
「狼牙君?!」
「いっ!井上さん?!」
「会いたかったわー!」
井上が狼牙に飛びつき、股間に顔をグリグリと擦り付けた。
「ちょっと井上さんが何でここに!」
「辞令があって、ここで打ち合わせしろって言われたの!
まさかまた狼牙君に会えるなんて!
もうこれは運命よ!赤い糸よ!結婚してぇ!」
「旦那さま、そのちっこいのはなんでありんすか?痴女でありんすか?」
「あれ?今、女の声が聞こえなかった?」
「ふむ、見えねえ人なんでありんすね。」
「え?また聞こえた!なに!なに!」
薄葉は見えないのをいいことに、井上に悪戯を仕掛ける。
井上の後ろに回り込むと、ホウキでお尻を思い切り叩いた。
「ぎゃあ!ホウキが浮いてる!」
パニックを起こした井上は、狼牙の背後に回り込み、背中によじ登った。
「出て行けぇ~出て行けぇ~、呪うでありんすえ~。」
「ギャアアアアッ!」
「アッ!」
狼牙は背中に生暖かいものを感じてガックリと膝を着いた。
「薄葉さん!やりすぎですよ!」
「ごめんなんし、旦那様。久しぶりの反応でありんしたので楽しゅうて、ついやりすぎちまいましんした。」
薄葉をギロッと睨みつけるが、反省した素振りもなくテヘペロをする。
狼牙は気絶してお漏らしをした井上の服を脱がし、風呂場でシャワーを浴びさせる。
「この人全く変わらないな。今年で32才だよな。本当に人間なのか?」
狼牙は井上の体を見て人外ではないかと改めて思う。
背丈は茜と同じ位で胸と尻は薄く、陰毛が全く生えていない。
肌は30を超えた女性とは思えないくらいに瑞々しく張りがある。
まるで、10代前半で時が止まったような見た目を維持していた。
「この人のおかげで主達と出会えたんだよな。」
狼牙と井上の出会いは10年ほど前、荒れてた狼牙が彼女に補導された事がきっかけだった。
当時、自分の強さを誇示するために、ケンカに明け暮れる毎日であり、ヤクザ、半グレ、時には格闘家にもケンカを売り、勝利しては自分が一番強いと自惚れていた。
「なら、狼牙君より強い相手に会わせてあげる。」
井上に地下格闘技場を紹介され、そこで雌ゴリラに出会い完膚なきまで凹られ、童貞を奪われた。
その後、紆余曲折があり主達の手引きで海外へ逃亡、料理人や傭兵で生計を立て、帰国後主達の山荘で管理人として雇われ、六花と巡り会う。
井上とは出国直前に一夜を共にして以来、会っていなかった。
「よくこんな小さな体で俺を受け入れられたもんだな。」
下腹部にシャワーを浴びせながら、会陰部を丁寧に洗い流す。
当時、井上は処女であったが、難なく狼牙を受け入れ何度も果てていた。
井上を洗い終えると、狼牙の部屋へ運んでいきベッドに寝かす。
洗濯物は2時間もすれば乾燥するだろう。
狼牙は夕食の準備を再開するために台所へ戻った。
「井上先輩!お久しぶりです!」
TVモニターの向こうで雌ゴリラが揃って頭を下げた。
「本当に久しぶりね。みんな元気そうで何よりだわ。
まさか狼牙君の雇い主があなた達なんてね、驚いたわよ。
今回の辞令、蒔子の差し金かしら?」
「あはは、バレバレですよね。
ごめんなさい!先輩しか思いつかなくて!」
「で、何をして欲しいの?」
扶桑は学園内での売春問題と萌葱の件について説明をした。
「生徒に成りすまして、萌葱さんの監視ねえ。
あなた達と子供達の関係性がいまいち理解できないけど、本気なのはよく分かった。
どういう経緯で、子供達の生活の保障と捜査が等価交換なのかは謎だけど、聞かないでおく。
それに子供達が危険なことに巻き込まれるのを、絶対に避けたいのは私も同意よ。まあ任せておきなさい。」
「ありがとうございます!」
「で、いつから潜入すればいいのかしら。
生徒になるなら制服が必要よね。」
「用意はできていますよ、井上さん。」
狼牙が複数の箱を抱えて現れ、井上の前に積み重ねた。
「ナイス狼牙くん!では早速明日からお願いします。」
扶桑は手を合わせて井上に頼み込んだ。
「了解よ。あっそうだ!私からもお願いしていいかしら?」
「はい!何なりと!」
「狼牙君、この荷物、私の部屋まで運んで。
それと明日の朝、私を学園まで送迎してね。今日は私の部屋でお泊りよ。
反論は許されないからね。それと私の事は「遥」って呼んでね。」
狼牙がTVモニターを見ると扶桑が土下座をしていた。
「・・・わかりました。夕食の支度が終わる迄待ってください。」
その後、準備した夕食を遥がタッパに詰めると、狼牙と一緒にお持ち帰りしていった。
「ただいまー!あれ?狼牙さんは?」
夜花子と蒼が一番に帰宅して、狼牙の不在に気付く。
「ちょっと野暮用で出掛けてやす。今夜は戻らねえでありんすよ。
さあ、手を洗って、うがいをして、ごはんにしんしょう。」
「はーい。」
薄葉は今後のことを考えて事実を伝えることをしなかった。
「狼牙君、口移しで食べさせて!」
言われた通りに焼肉を口に咥えて、大きく開いた口に頬張らせようとすると、口をつぐんだ。
「ダメ、ちゃんと良く咀嚼して、いっぱい涎を絡ませて!」
口内で肉を咀嚼する間も、飲み込める位よく噛んでと注文される。
「いいわよ、アーン。」
唇が触れると、コイキングキスをされて、口内を吸い取られ舌でくまなくなめとられる。
「次は私の番。」
そんな食事が1時間以上続き、全て食べ終えると遥の手が狼牙の股間をまさぐる。
「では、本日のメインをいただきまーす!」
カポッと咥えると、いきなり奥まで飲み込む。
狼牙の手を取って、自分の頭に置くと「押し込め」のジェスチャーをする。仕方なく遥の頭を掴んで乱暴に上下させた。
「おぼ、う”えぇ、お”、お”!」
遥は体をビクンビクンと痙攣させながら、えづき声を上げる。
やがて、足をピーンと伸ばすと大量の体液を噴出させる。
部屋の中にむっと淫臭が万延した。
口を離すとぷはっと息を吸い込み、トロンした顔で狼牙を見上げる。
「いいわ、手加減しないとこが凄くいい。
私がこんな体だからみんな優しく扱うの。
でもね、滅茶苦茶にして欲しいの。
道具みたいに扱って欲しいの!私を壊して!」
狼牙は望み通りに手荒に扱った。
半分も入らない胎に全て押し込んで中を抉った。
一刺し毎に体を痙攣させ絶頂を繰り返す遥。
狼牙が絶頂を迎えた時、遥は完全に気絶をしていたが体は反応していた。
ベッドの上や床が、大量に噴き出した体液で酷い有様になっている。
狼牙は溜息をつきながら、部屋の掃除をはじめた。




