第44話 学園編⑤ 萌葱と桔梗の寄り道
神田駅から17号線沿いを全速力で疾走する萌葱と桔梗。
あっと言う間に万世橋を渡り、秋葉原に到達する。
途中、桔梗が暑いと言ってスカートの仕掛けを解き、一見するとコスプレロリータのような姿になっていた。
「人が多いね、ここは歩いていこうか。」
秋葉原駅前の雑踏を見て、萌葱が移動速度を落とす。
フウフウ言いながら桔梗が頷いた。
「浅草も凄いけど、ここも人がいっぱいで凄いねー!」
桔梗は街明かりや人の行き来に目をキラキラさせて感動している。
キョロキョロと周りを見ていた目が客引きメイドに止まった。
「あのこ可愛い!」
とととっと近寄っていき、間近で観察を始めた。
「ちょっと、あんた何?」
「あたちは桔梗ちゃんでーす!おねえちゃんはメイドの人ですよね!とっても可愛いです!」
「?!」
ミニスカメイドは面食らったようで、桔梗を不審な目で見る。
そんな目を気にもせず、桔梗は一緒に写メしようと持ち掛けた。
「萌葱ちゃん!撮ってー!」
桔梗はミニスカメイドの隣でポーズを取り萌葱に呼びかけた。
「ちょっと!誰も撮るなんて言ってないわよ!」
ミニスカメイドが腕にしがみ付いてきた桔梗を振り払おうとしたその時。
「あのー、撮らせてもらっていいですか?」
ごつい一眼レフカメラを持った青年が声をかけてくる。
青年は赤いバンダナを頭に巻き、厚底メガネ、チェックのシャツ、着古したジーンズ、白いスニーカーを履き、でかいリュックを背負っていた。
「ゲッ!」
ミニスカメイドは嫌悪感丸出しの表情をして、桔梗を振り切って小走りで逃げていった。
「ああ!おねえちゃん!…行っちゃった。」
しゅんとする桔梗に青年が声を掛けた。
「丁度良かったです。ボクはあなたを撮りたいのです。」
青年は名刺を取り出し桔梗に手渡した。
「お連れの方ですね!貴女も素晴らしい被写体だ!生命力が目に見えるようだ!どうか写真を撮らせてください!」
青年は萌葱にも名刺を手渡すと丁寧に挨拶をする。
名刺には写真家「木荒以蔵」と書かれてあった。
「君達の存在が私の感性に訴えるんだ!君達を写真に残せと!今巡り合えた奇跡を、チャンスを逃してならないと!お願いだ!撮らせてほしい!」
荒木は土下座しそうな勢いで二人に頼み込んだ。
「おじさん!あたちはいいよ!いっぱい撮って!萌葱ちゃんもいいよね!」
「桔梗…。わかりました。ただ早く帰りたいので、10分だけでいいならOKです。」
萌葱の許可を得た荒木は、人が変わったように真剣な顔つきになり、ポーズや動きの注文を始める。
秋葉原の夜景をバックに始めた撮影に、大勢の人が集まり人垣ができた。
「はーい!いいよ!その角度!もうちょっと表情を柔らかくしようか。いいね!その笑顔を貰ったよ!」
荒木が指示を出しながらシャッターを切る。
一度の撮影で数十枚の連写音が聞こえる。
あっと言う間に10分を知らせるアラームが荒木のスマホから鳴った。
「ありがとう!とても良い写真が撮れたよ。この写真は僕のブログにアップさせてもらっていいかな?もちろん収益が出たらモデル料は支払うから、名刺の連絡先に電話してほしい。できれば専属モデルとして契約して欲しい。」
「あたち、すごいカメラで写してもらうの初めて!写真見たいからいいよ!萌葱ちゃんもいいよね!」
萌葱は肩を竦めながら荒木にブログ掲載の許可を出した。
「専属モデルの件は保護者に相談してからお答えします。」
荒木は「もっともだ。」と笑い、「良い返事を待っている。」と言い去って行った。
「ちょっと君達、私にも話をさせてもらっていいかな?」
声の主を見ると、サングラスをかけた30代の女性が、アイドルっぽいポーズをして立っていた。
「あの、私たちもう帰らないと。」
時刻は19時を少し回っている。
女は時間を見ると、あちゃーとした顔をしてから早口でしゃべり始めた。
「ごめんね!とりあえず名刺だけでも受け取って!それとね、あなた達ならセンターを獲れるわ!いずれはWセンターも夢じゃないかもしれない!私が責任をもって育てる!お願い必ず連絡頂戴ね!必ずよ!絶対よ!」
萌葱と桔梗は名刺を受け取ると、即座にその場を後にした。
20分後、汗だくで我が家に帰り着く。
途中、白バイに追いかけ回されたが何とか逃げ切った。
居間に顔を覗かせると皆がすき焼きをつついている。
二人は自室で汗をぬぐい、中学ジャージに着替えると居間に駆けこんだ。
食事が済み、ママ達との話が終わり、お風呂の時間になる。
六花は狼牙に話したい事があり、無理やり一緒のお風呂に入れた。
「いつみても立派なイチモツでありんすね。」
薄葉が湯舟に浸かりながら、ほうと溜息をつく。
今日は六花、薄葉、お糸、狼牙でお風呂に入っている。
皆がお糸の手前過激な行動を控えているのを見て、狼牙はお糸の存在の大きさに深く感謝した。
「先ずは茜、珊瑚の西園寺扱いか。まあ、相手の出方次第だな。決闘のルールに乗っ取れば、西園寺も下手な手出しはできないだろう。ルール破りをするとOBからも睨まれるしな。それよりも、先生とは全力で和解するように!強い弱いではないぞ!あくまでも師だからな!」
多湖との一件で叱られることになった茜と珊瑚はシュンと項垂れた。
「次に萌葱と桔梗だな。萌葱の話から伊集院は人外と見ても間違いではなさそうだな。さしづめ吸血鬼の類が考えられる。狼男がいるのだから吸血鬼がいてもおかしくない。やたらと桔梗を甘やかすようだが、十分肥えさせて美味しくいただこうとしているのかも知れん。萌葱、よく監視をしておいてくれ頼むぞ。」
桔梗は困惑したが、萌葱は狼牙に任されたことを喜ぶように表情を引き締めた。
「んで、夜花子と蒼の件だが、特に問題は無いのではないかな。多分演劇部が目指すところは「御宝塚」だと思う。俺は演劇部入部に賛成だ。今度チケットが手に入ったら観劇してみるといいよ。それに組織のTOPには悪いやつらがよく集まるもんだしな。」
夜花子と蒼は無い胸を張ってフフンと偉ぶった。
「狼牙さん、あと今日の帰り道、プロのカメラマンの木荒さんとAKBF33の指差さんにスカウトされました。」
萌葱の報告に珊瑚、蒼が驚きの声を上げた。
「ちょっと!指差さんって元AKBF33のセンターだった指差さん!」
珊瑚がザバッと立ち上がり、萌葱にずいずいと詰めていく。
「写真家キーアラ、女のエロスと情欲を撮らせたら、並ぶ者がいないと言われる天才写真家。」
蒼の頭がスーッと近づいてくる。
「ちょっと!2人とも近いよ!」
珊瑚の陰毛が萌葱の鼻頭をくすぐり、その股間から蒼が顔半分覗かせ、乳房の谷間に鼻を挟んでいる。
2人は萌葱を挟むように湯舟に座り直した。
「正直に言え!嘘隠し事は許さん!」
「右に同じ!」
萌葱はピンクで小振りな乳首を両脇から責められひゃっ!と声を上げる。
「待ってよ!元は桔梗が原因なのよ!桔梗が木荒さんに目を付けられて、突然撮影会が始まって、終わったら指差さんに声を掛けられたの!」
「流石、東京!で、あんた達、スカウト受けるの?いや!絶対に受けなさい!そうすれば私も木荒さんとお知り合いになれる!」
「AKBF33の指差さんよ!断るわけないよね!審査にはわたしも付き添う!いや参加してみせる!」
すでに蒼と珊瑚は2人がスカウトを承諾した先の計画を妄想していた。
「狼牙さん、ダメですよね!任務に支障がでますよね!」
萌葱は狼牙にダメと言えと言わんばかりに語気を強めた。
「俺はOKしていいと思うぞ。」
「ほら、狼牙さんもダメって、え?!」
信じられないものを見る目で狼牙を凝視する萌葱。
「そりゃあ、任務も大切だが、それよりも今は君らに自分の青春を楽しんでほしい。主達も君らが何らかのスカウトをされることは想定済みだよ。その時は背中を後押ししてやって欲しいと頼まれている。」
「さすがママ達よね!二手も三手も先を読んでるの凄い!」
蒼がべた褒めする様子を、狼牙がニヤニヤと見ていた。
「それで、桔梗はどうなの?!」
桔梗を見ると、茜とお糸に乳首を吸われてふやけていた。
「何やってんの?」
「桔梗ちゃんの乳首が陥没ぎみなんで吸い出し矯正をしてやす。まだ成長期だから毎日吸ってあげれば、立派な乳首になりんすえ。」
珊瑚は目をぱちくりさせて薄葉の説明を聞いた。
「桔梗の乳うめえ。桔梗いいかっちゃんになる。」
「お糸がしゃべった!」
萌葱、珊瑚、夜花子、蒼がお糸の声を聞いて仰天した。
「なんだ、お糸はよくしゃべるぞ!なあ!」
「ああ、なんだ。おぬしらはおらの声が聞こえなかったんだな。」
茜とお糸は乳を吸いながらクスクス笑った。
「桔梗は知ってたの?」
「あ”ー、じっでだよ”ー。」
ほにゃほにゃになった桔梗が萌葱に答えた。
「あ”だじのお”っばい”をま”い”ばん”ずいにぎでだがら”。」
「知らなかったよ。」
夜花子の顔が少しこわばってきた。
「おめ、おらさ怖いだか?」
心を見透かされたように、夜花子に振り向きニッと笑うお糸。
「おらに乳すわれっと、おおきゅうなるで。吸いにいったろか?」
ニヒヒと笑い夜花子に近づいていこうとすると、もの凄い勢いで蒼がお糸を抱き上げた。
「お糸!お願い!今すぐこのオッパイを吸って!私は忌まわしき貧乳のDNAをここで駆逐したいのお願い!」
涙ながらの蒼の訴えをポカンとして聞いたお糸は、まじまじと乳房を観察し、はあとため息を吐いて答えた。
「蒼よ、おらは種に恵を与えて大きくすることはできる。でもよ、蒼の乳房に種がないんよ。これじゃ大きくするのは無理だぁ。その代わりに背丈を伸ばす種があるでよ、それに恵を与えてやる。」
お糸の無慈悲な言葉に絶望した蒼は、お糸を抱き上げたまま気絶した。
お糸は萌葱に手招きをすると抱き上げるように言い、蒼にまじないを唱えると、体をぺたぺたと触りまくり、少し悩んだ後、乳房にもぺたぺたと触り、まじまじと拝んだ。
六花とお糸のやり取りに和んでいた狼牙だったが、突然ナニを咥えられる感触に声を出すのをなんとか堪えた。
「薄葉さん止めてください。みんなの前ですよ。」
「わちきは姿を消してやすから、旦那様が大人しゅうしていれば、ばれんせん。」
いきり立ったナニが、粘膜の肉壺に飲み込まれていく凄まじい快感に背筋が震えあがる。
(待てよ、我慢するから長引くわけで、すぐに出したらいいんじゃないか?)
狼牙は我慢することなく身を任せると、三擦り半で放出した。
「旦那様、わざと早打ちしんしたね。」
薄葉の地の底から聞こえるような声を聞く。
狼牙は薄葉の具合をべた褒めしてごまかす。
「許しんせんよ。」
薄葉の肉壺が生き物のように蠢くと瞬く間に回復させられた。
「わちきが満足するまで何度でも立たせてみせんす。」
結局、薄葉がイクまで絞り取られた狼牙は、無表情を保ちながら鼻血を流していた。




