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六花と槍の物語  作者: hiddenkai
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第40話 学園編① 初登校と痴漢と理事長

私立ミスカトニック女子学園は、経済界の重鎮であり、政治の世界にも深い繋がりを持つ「四具祖 空」により創立され、自ら理事長を務める。

歴史はまだ5年と浅いものの、四具祖の影響は絶大であり、一部上場企業のオーナーや社長で娘を持つ者は、こぞって入学を希望する。

少人数のクラス編成による高度な教育、渋谷駅前に立地、新しく画期的かつ先進的な施設に人気が集まり、偏差値74と入試難度も高い。


学園は渋谷駅前再開発地区に建設された、高層ビル(高さ240m/地上45階)内の、40階から45階に作られた。


エレベーターホールの専用のゲート、学園施設の出入りは学生証(IDカード)で管理され、許可されたエリア以外の移動が制限され、全館が監視カメラでモニタリングされている。

40階までは直通の専用エレベーターが常時10基稼働していた。


ビル内学園施設概要

40階~42階 第1学年から第3学年の教室及び食堂


43階 文科系施設階

大小音楽室・美術室・調理実習室・茶道教室・視聴覚室・シアターホール・コンサートホール・文化系クラブ活動部室多数


44階 体育会系施設階

大小体育館・プール・道場(畳)・道場(木床)・弓道場・スタジアム・テニスコート・体育会系クラブ活動部室多数


45階 職員関連施設

校長室・職員室・生徒会室・図書室(屋内ビオトープ及びカフェテリア併設)


屋上階 理事長室ペントハウス




9月1日、編入の日の朝。

いつも通り狼牙のモーニングコールで起床した六花は、身支度を整え居間に集まる。

朝食(白飯、甘鯛の粕漬焼き、キュウリと大根の漬物、玉子と玉ねぎの味噌汁)を食べ、狼牙と薄葉、お糸に見送られ家を出る。

最寄り駅の三ノ輪駅から地下鉄で上野駅乗り換え、銀座線で渋谷駅に向かう。

昨晩、支給された定期券の入ったお揃いのパスケース(GPS内蔵)を、改札にタッチして三ノ輪駅構内に入場すると、乗客の多さに愕然とする。


「これ、どうやって乗るの?」

到着した電車の車内は既に乗客で満杯である。

そこへ更に体を押し込み乗る乗客達に珊瑚は尻ごみをした。


「遅刻するよ!」

萌葱に手を引かれ、人の壁に突入すると、二人に続いて体を押し込み何とか全員が乗車する。


「うう、苦しい。前が見えない。」

茜のうめき声が背後に聞こえる。

5分後上野駅に到着すると、勢いよく押し出され人の波に飲み込まれる。

六花はひと固まりになり、階段に押し上げられて行く。


「ウヒ?!」

蒼がすっとんきょうな声を上げた。


萌葱「どうしたの?」

蒼「今、お尻を触られた。気がする。」

茜「エッ!痴漢か?!」

蒼「気のせいかもしれない。偶然手が当たっただけかも。」

珊瑚「手の甲ならたまたまで、手のひらなら痴漢だっけ?」

夜花子「こんな人混みじゃ判別つかないよ。」

桔梗「あたち、おっぱいモミモミされたよ。」

全員「エエー!」

萌葱「桔梗、声を出さなきゃダメよ!」

桔梗「だって恥ずかちい…」

夜花子「よし、銀座線は桔梗を囲もう。」

全員「了解!」

日比谷線の改札を抜け、地下道を通り銀座線に乗り換える。

ホームの人混みを見て「ウワァ…」と声を漏らした。


到着した満員電車から大量の人が吐き出されるが、それ以上の乗客が乗り込む、六花もまたその乗客達の一部である。

桔梗を取り囲むように乗り込み、他の乗客に背を向ける。

その周りをくたびれたスーツ姿の中年オヤジ達が取り囲んだ。


密着した車内で様々な臭いが入り混じる中、桔梗の体臭が一際強く芳香している。

常日頃から生活を共にしている六花にとって、桔梗の体臭は全くの無害であったが、密室かつ密着した状態での桔梗の体臭は他の人々にとり、特に雄に対して絶大な効力を発揮した。


甘い果実のような体臭が雌の放つフェロモンのように、雄の鼻腔と脳を刺激し、心拍数を上げ血流を高める。

極度の興奮状態に陥った脳は、性的興奮という誤情報を認識し老いも若きも、更には女性さえも海綿体を勃起させた。


六花の周りのオヤジ達は自然と鼻息が荒くなり、顔を紅潮させ始める。

(何故だ?!何故に勃つ?!もう俺は枯れ果てたはずじゃあないのか!)

岩下大吾47才、25年に及ぶ過酷なサラリーマン生活と家庭生活で、とっくの昔に精力が尽き果てたと自覚していた。

現に妻とは15年のレスで裸をみてもピクリともしない。

部下の20代女性に誘惑されても、全く食指が動かない。

このまま静かに余生を過ごすものだと確信していた。

なのに匂いを嗅いだだけで勃った!

大吾はこの匂いの元を求めた。

そして、振り返りJKを見つけた。

JKに近づく事はそれすなわち社会的死を意味する。

しかし、大吾は近づかずにいられなかった。

もっと傍であの甘い体臭を存分に吸い込みたかった。


「背中にさ、チン〇が当たるんだけど痴漢なのか?」

電車が大きく揺れる度、勃起が当たり茜が嫌そうな顔をする。


「茜も?わたしもなんだけど。他にもいる?」

蒼の問いに萌葱、珊瑚、夜花子が頷いた。


「でも押し付けられているんじゃないのよね。」

「珊瑚もなんだ。当たらないようにしてる感じもするね。」

夜花子の発言に「確かに」と皆が納得する。


「取り敢えず様子見をしましょう。過激な行動をし始めたら即確保。」

萌葱の指示に皆が無言で頷く。


「みんな、あたちのせいでごめんね。」

極度の密着状態で体が火照った桔梗がハアハアしながら詫びる。

体を冷まそうと胸元をパタパタすると、濃厚な体臭が更に拡散する。

六花達の後で深呼吸をする音が聞こえる。

ギョッとした六花は思わず振り向いた。


見える範囲の乗客が男女問わず深呼吸をしている。

皆が恍惚の表情を浮かべ、股間を押さえているように見えた。

しかし、電車が新橋に到着すると、一斉に正気を取り戻し顔を逸らして、そそくさと降りていく。

周りにいた中年オヤジも電車から降りていくが、瞬間、六花達を見て軽くお辞儀した。


ポカンとしていると、降りた乗客以上が乗り込んできて、反対側のドアの前に押し込まれる。

茜と桔梗がドアに押し付けられ、「ムギュ」と声を上げた。


府下 浩二、痴漢歴35年、逮捕歴無し。

この日、府下は自分の幸運に打ち震えた。

お嬢様学校の生徒が、女性専用車両に乗らずにいることを目ざとく見つけ、すぐ背後にへばりつく。

経験上お嬢様は多人数でいると、周りに痴漢されている事を知られたくないため、我慢することが多い。

府下はメガネを掛けた真面目そうな少女をターゲットにすると、スカートの中に手を差し込み、大胆にも股間を直接触りにいく。


(こういう真面目そうな娘は、いきなりの方が泣くか我慢するかだが。

この娘は気が強そうだから、我慢タイプだな。)

府下はショーツ越しに膣を刺激しようとして、強めに中指を当てるとヌプッと膣内に吸い込まれた。


(しまった!痴女か!)

咄嗟に引き抜こうとするが、膣にがっちりと中指を捕らえられた。


(何ぃ!ぬ、抜けん!)

「クソ虫見ぃつけた。」

蒼がゆっくりと振り向き府下の顔を見る。

ニタァと笑うと府下の腕をガシッと掴んで叫んだ。


「この人痴漢です!」

府下は振り解こうともがくがビクともしない。

周りの乗客は、「この期に及んでも痴漢行為を止めようとしない」府下を目撃する事になる。


「違うんだ!この娘が離してくれないんだ!指が千切れる!助けてくれ!」

府下の訳の分からない言い訳に他の乗客の非難が集まる。


「このクズ!早くこの子から離れろ!」

「いつまでやってんだ変態野郎!」

騒ぎを聞きつけた私服鉄道警察が人を掻き分け現着し、府下の手を取るとスカートの中からあっけなく抜き出される。


「刑事さん、指が痛いよお。」

府下の指がムラサキに変色して膨れ上がっている。

不思議に思うが、痴漢行為の現行犯として逮捕される。

刑事は六花の名を聞くと事情徴収をせずに解放した。


その後、府下の指は複雑骨折と診断されるが原因は不明。

万力で締め上げられなければ再現不可能と報告される。

また、当初初犯を訴えていたが、あくる日突然、過去の痴漢行為を詳細に自供したことにより実刑判決を受け、3年の懲役を化せられ服役、出所後は二度と痴漢行為を行う事がなかった。




六花は遅刻することなく学園にたどり着き、専用ゲートを抜けると黒スーツの精悍な中年男性に出迎えられた。


「六花の皆さま、ミスカトニック女子学園へようこそ。私は四具祖理事長の秘書でナイラーと申します。以後お見知りおきください。

早速ですが、主人がお待ちしております。どうぞこちらへ。」

ナイラーは丁寧に挨拶をすると、六花達を別のエレベーターホールに案内した。


「ナイラーさんは教師ですか?」

ナイラーはちらりと萌葱の名札を見るとニコリと笑って答えた。


「私は、そうですね、言うなれば用務員のおじさんといったところでしょうか。学園内の不備があれば言ってください。すぐに対処しますので。」

六花達はナイラーにママ達と同じ匂いを感じた。


「こちらは屋上ペントハウスへの直通エレベーターです。

あなた方生徒が使う事はこの先まずありません。」

他のエレベーターがガラス張りなのに対して、金属の壁に囲まれた普通のエレベーターに乗り込み、最上階を目指す。

かなりの上昇速度で耳がツンとなる。

ポーンと到着音が鳴り、扉が開くと大きなホールが広がり、重厚な扉が20m先に見える。

先に六花が降ろされ、後からナイラーが降りてきてそのまま扉に向かう。

ナイラーが扉を開き六花に入室を促す。


扉の先にはガラス張りの大パノラマの眺望が広がる大部屋があり、老人が独り立っていた。


「六花よ、編入おめでとう。儂が当学園の理事長四具祖だ。」

禿頭、白美髯、鋭い眼つき、鷲鼻、大きく引き締まった口元、背は高く190cmはあるだろうか、スーツを着ているが、引き締まった体が容易に想像できる。

商人の頭というより、武人の頭と言われた方が納得できる風貌であった。


「実はな、儂が山城総理に無理を言って、君らを呼び寄せた。

君らの働きには期待している。が、だ。君らの実力を知りたい。

どうだ、儂とひとつ手合わせをしてくれないか?」

好々爺然として六花に笑いかけるが、目が全く笑っていない。

六花はお互いを見合って頷くと、ジャンケンを始める。

萌葱と茜の一騎打ちとなり、32回あいこを制して萌葱が勝った。


「萌葱はこういう時ジャンケン強いよな!」

ちぇっと不貞腐れる茜とげんこつタッチをして萌葱が前に出る。


「萌葱と申すか、遠慮はいらん全力でかかってきなさい。」

「わかりました理事長!」

萌葱は無造作に理事長に向かって歩いてゆく。

四具祖は深呼吸をすると、力強い円運動で功夫を高めてゆく。

萌葱は四具祖の制空権に当たりをつけると、気配を消失させた。

四具祖が萌葱の気配を失う。

目の前に萌葱がいるのだが幻を見ているような感覚になる。

流れる水のように、優しく、美しく、萌葱が動く。

あまりに自然な動きに、四具祖は闘気を感じずにいた。


「萌葱、螺旋流れ水を完成させてたんだね。」

夜花子がポツリと呟く。

螺旋で練り込んだ静と動の気を流れる水のように技で繰り出す。

爺さんの流れ水を更に進化させた萌葱だけの技である。


「理事長、まともに喰らったらヤバくね?」

茜が鼻くそをほじりながらフヒヒと笑う。


「あ!ナイラーさんが動いたよ!」

思わず飛び出しそうになった桔梗を蒼が止めた。


「ほっときな桔梗。主人の危機に動いただけだよ。」

「そうそう、萌葱なら二人相手でも大丈夫だよ。」

珊瑚は言いながら茜の鼻いじりを止めさせる。


ナイラーは萌葱の拳と四具祖の顔の間に手の平を割り込ませる。

拳はナイラーの手の平を撃ち砕き、血と肉が弾け飛ぶ。

拳を防がれた萌葱はクルリと回転すると、後回し蹴りでナイラーの背を蹴り飛ばす。

背骨を折られ、内臓が破裂したナイラーが部屋の隅まで転がる。

茜と珊瑚が一瞬でナイラーの元へ飛ぶと、治癒を発動した。


後回し蹴りを放った隙を見て四具祖が剛拳を放つ。

萌葱の顔面に剛拳が突き刺さった。かのように見えた。

四具祖の剛拳が萌葱の残像を貫いていたことを知ったのは、意識を取り戻した後だった。


「儂は負けたんだな。」

目を開けると天井が見える。

傍らでナイラーが正座をして安堵の表情を見せた。


「ナイラーよ、儂は最後どのような負け方をしたんだ。」

「はっ!その、萌葱殿の見事な宙返り蹴りでアゴを砕かれ、2mほど宙を飛び落ちました。」

「ナイラーさん、水鳥脚って呼んで!」

萌葱の突っ込みが入ると「承知しました」と返答した。


「その割には怪我をしていないようだが。

ナイラーよ!お前、手を吹き飛ばされていなかったか?!」

「はっ!治癒で直してもらいました。」

ナイラーが手をかざして見せると四具祖はうーんと唸った。


「君達には色々と秘密がありそうだな!面白い!

これからも君達の事を色々と知りたい!

ナイラー、彼女達のIDをこの部屋に登録しておくように!」

「はっ!仰せのままに!」

かくして六花と四具祖のお目通りは波乱があったが無事終了した。




桔梗の体臭にやられた人々は一日中勃起が収まらずに、悶々とした時間を過ごす。その日は残業をせずに、配偶者、恋人がいなければ風俗へ脇目も振らずに直行した。


岩下大吾の妻、京子は2歳年下の専業主婦である。

大吾とは同期で新入社員同士で出会い、お互い一目ぼれをして、即結婚をした。当時、大学新卒と短大新卒が結婚したことで、社内で伝説のカップルと揶揄されもしたが5年後、妊娠を機に退職して専業主婦となった。


子供は既に成人して家を出ている。

日中は家事を済ませ、パートに出て離婚後の為の貯金をしている。

15年のレスで夫への愛情は尽き果てた。


時々、マッチングアプリで出会った男と一度限りの浮気を楽しむが、継続的な不倫はしない。

いずれ離婚したら、若い男と再婚しようと考えている。

夕飯の支度をしていると、珍しく大吾から帰るコールが掛かってきた。


「こんなに早く帰ってこなくていいのに、憂鬱だわー」

普段は京子の就寝後帰ってくる大吾の顔を、時々思い出せなくなる。

玄関が開く音が聞こえ、バタバタと足音が聞こえる。

大吾が紅潮した顔でキッチンに現れると、上着を脱ぎ捨て京子を抱きしめて、唇に貪りついてきた。


「何をするの!やめてよ!」

顔を引きはがし突き飛ばそうとするが、大吾の本気の力に敵うはずもなく、抱き上げられるとソファーに転がされた。


「ちょっと!なんのつもり!気持ち悪い!近寄らないで!」

大声で罵るが全く怯むことなく、ズボンとパンツを脱いで下半身を露出させた。


「いいかげんにしてよ!あんたのふにゃちんなんか願い下げよ!」

大吾の隆々と勃起したチン〇を見て、京子は目を見張った。

そう、忘れていたが大吾のチン〇は大きかった。

そのチン〇に負けて、短大新卒で結婚したのだ。

今まで見た浮気相手のチン〇のどれよりも大きい。

また、あの気絶する快感を味わえる。

そう思うと、股がグジュグジュになるのを感じる。

京子は自然と大吾のチン〇を手に取り、咥えると喉の奥で貪った。

その日の夜、何組もの夫婦と恋人が新たに愛を誓いあった。

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