第30話 遂げられた思いと別離
「頼む、休ませてくれ。」
呪いが解呪されてから1週間後の朝食の席で狼牙が土下座をした。
目は落ち込み、クマが黒々と浮きでている。
頬はやつれ、体から生気が失われていた。
あの日から毎晩、六花と雌ゴリラが交替で狼牙の体を求める。
ハイポーションで体力・精力は回復するが、気力は回復しない。
既に気力は尽き果て、オナドールのような状態だった。
「えー、せっかくチ〇コの大きさに馴染んできたんだからさ、がんばれよ!オレもう少しでポルチオ極めれそうなんだよ!」
茜の無慈悲な発言に狼牙は何か言いたそうにしたが、グッと口を閉ざし下を向いた。
「確かにやりすぎではあるな。普通の男なら腎虚を起こして腹上死しているのではないか?少しは狼牙を労わってやるのはどうかの。」
白虎の助け舟に狼牙は表情を明るくしてうんうんと頷く。
「狼牙くん、ごめんね。
金龍拉麺食べてからどうにも活力が湧き出て止まらないよの。
稽古しても発散しないし悶々が溜まるのよね。」
扶桑の発言に雌ゴリラと六花がウンウンと頷いた。
解呪後、六花+五虎将+ベルVS雌ゴリラ+白虎+狼牙で日々真剣勝負を行っているが、治癒・回復の魔法を使えるようになってからは、稽古内容は激しさを増し、流血、骨折、四伎切断、内臓破裂は茶飯事となっていた。
稽古時、雌ゴリラは甘さを押さえ、六花に対しても容赦ない攻撃を行う。
が、やってしまった後にすぐさまママモードになり、抱き上げると救護係のバステトの元に急ぎ向かう。
回復するまで手を握り、「ごめんね」を繰り返す光景が度々見られた。
「ママ達にぶっとばされた後も回復が早いし、ダメージも以前より減っているような気がするね。」
「珊瑚もそう思う?あの拉麺、解呪の他にも何かあるのかしら?」
夜花子の疑問にベルが立ち上がった。
「皆さんに竜力がほんの少しだけど宿りましたね。
私達の世界でも竜から得た物を食べると、寿命が延び、健康に日々を過ごせます。
すなわち、筋力の強化、体力の増強、免疫力の上昇が永続的に続きます。
皆さんは種として、進化した存在になられたということです。
おめでとうございます!」
無邪気に拍手して祝福を贈るベルに、雌ゴリラは少々複雑な顔をした。
「で、狼牙の件だが提案がある。頻度を減らそう。
狼牙はどのくらいの頻度を希望するのだ?」
日向の問いかけにしばらく考え込む狼牙。
「中3日空けてくれ!日曜日は完全休日だ!それと射精はひとり1回迄!これ以上は譲れない!」
決心固く言い放つと正座を解いて、胡坐になり腕を組んだ。
「妥当だと思うよ。みんなはどうかな?賛成なら挙手して。」
陸奥の声かけに雌ゴリラと六花全員が手を上げる。
狼牙は心底安心した顔で息を吐いた。
「狼牙くんの件はこれで終了ね。次はベイビーにお知らせよ。
9月から高校に編入してもらいます。
ただの高校生活ではないので退屈しないと思うわ。
貴女達には政府の一員として学校の闇を暴き、粛清して欲しいの。
手段は問いません。
その代わりに学費・生活費の一切は政府が負担します。
拒否権はありません。」
山城がニコニコしながら「おもしろそうでしょ」と漏らす。
六花は顔を見合わせ「はい!」と答えた。
「ふむ、それでは儂らもそれに合わせて帰るかの、どうだバステト?」
「当面の目的は果たしたし。そろそろ家族に会いたいし。」
「という事だ。六花の出立に合わせて帰ることにする。」
「白虎殿!お願いがあります!」
関勝が声を上げ立ち上がると、五虎将全員が立ち上がった。
「私達をそちらの世界で修行させて貰えないだろうか?!
聞けばそちらの世界では冒険者とモンスターが、日々命のやりとりをしていると聞く。
私達は冒険者となって、より強くなりたいと願っている。
どうか我らの師となりお導きいただきたい!」
「きさまらではこの世界で生きるのには窮屈であろうな。
よし、儂の城に弟子として迎えよう。扶桑よ構わんか?」
「彼らの存在は、本来ならここにあるべきではないので、連れて行って貰えるならば、こちらとしても好都合です。」
こうして、五虎将の異世界行きが決定した。
六花が東京に帰る2日前、狼牙と交わる最後の日の夜に茜を除いた面子が、五虎将から面会を求められた。
「茜、先に狼牙さんと楽しんでいいよ。用が済んだらすぐに行くから。」
「やった!独り占め!」
萌葱に言われて小躍りしながら狼牙の部屋に走っていく。
入れ替わるように六花の部屋を訪れた五虎将は、入室するなり土下座をした。
「我らの美しく気高き花に最後のお願いに参った。」
「貴女方が狼牙に操を立てている事は承知した上でお願いする。」
「どうか我らに情けと慈愛をお恵みいただけないだろうか。」
「今生の別れになるやもしれない今日このひと時だけ。」
「どうかお願いいたします。我らの美しき花よ。」
「ちょっと待ってて。」
萌葱は皆を集めて会議を始めた。
夜花子「これは夜這いというやつね。」
珊瑚「あいつらがわたしらに惚れてるのは分かってたけど。」
蒼「気持ちは嬉しいけど、お嫁さん宣言してるしなぁ。」
萌葱「夫婦ではなし、恋人とも違うけどね。」
桔梗「あたちはお嫁さんだと思うよ。」
蒼「そもそも重婚は法律で禁止されてるから入籍できないしね。」
珊瑚「6人の中の誰かひとりと入籍して、あとは同居人かぁ。」
夜花子「入籍はわっちに譲ってほしいな。」
萌葱「ええ!そこは平等にじゃんけんでしょ。」
桔梗「一番先にあかちゃんできた人がいいな。」
蒼「ママ達は狼牙さんと結婚する気ないのかしら?」
夜花子「無いように感じるわね。あくまでセフレ感覚みたい。」
珊瑚「でもさ絆は強いよね。多分わたし達より強い。」
萌葱「でなきゃ狼牙さんをあたし達に預けたりしないか。」
桔梗「狼牙さんとママがHしても嫌な気持ちにならないよね。」
萌葱「あたし達、よくよく考えるとかなり壊れてるな。」
蒼「ひとりの男に固執しすぎてるのかもね。」
珊瑚「狼牙さん重荷に感じてるよね。」
桔梗「わたち狼牙さんを苦しめてるの?」
夜花子「苦しめてはいないけど重圧にはなっているかも。」
珊瑚「私達の気持ちが重すぎて避けられたりするかな。」
蒼「ねえ、ママ達を見習って重荷にならない女にならない?」
萌葱「ママ達、狼牙さん以外にもセフレいるのよね。」
桔梗「ええ!ママ達浮気女なの?!」
夜花子「違うわよ、恋人でもないから浮気ではないわ。」
珊瑚「大人の女の考え方よね。憧れるわ。」
蒼「私達の経験した男って人間が少なくない?」
萌葱「狼牙さんは獣人、砦で3人位か。あとは亜人ばかりだね。」
桔梗「あたちは健司さん入れると5人。」
珊瑚「あたしアナルならたくさんいるけど、マ〇コは2人だ。」
夜花子「みんな砦の事は忘れよう!あれは野良犬に噛まれたの!」
蒼「うーん、なんか興味が湧いてきた。試してみたいかも。」
珊瑚「賛成!ここは狼牙くんがじゃなくて、私達がで考えよう。」
桔梗「みんながいいなら、わたちもいいよ。」
夜花子「一蓮托生、呉越同舟、地獄の果てまで付き合うよ。」
萌葱「じゃ全員の同意が取れたということで!」
「お待たせしました。あたし達はあなた方を受け入れようと思います。
ただし、今夜だけです。
避妊は必須、コンドームは用意してあります。
それと、あたし達の事情で全員とSEXしてもらいます。
くれぐれもひとりに固執しないでください。
では、楽しい夜をすごしましょう。」
「みんな遅いね、ウンッ!」
狼牙の上に跨った小さな腰が根本まで飲み込み、胎の奥にグリグリと擦り付ける度に小刻みに痙攣する。
みんなが来ない事をこれ幸いと、すでに2時間近く腰を振り続けていた。
「ポルチオ覚えたよ!いつでもイっていいよ!」
狼牙の射精で長く大きな絶頂を迎え失神すると、そのまま体を預ける。
狼牙は繋がったままの茜の背中を愛撫し続け、睡魔に襲われるとそのまま眠りに落ちた。
翌日、狼牙は目覚めは快適そのものだった。
目を開けると、茜が涎を垂らして胸の上で寝息を立てている。
起こさないようそっと体をずらすと、しぼんだままのペ〇スが茜の体から音を立てて引き抜かれた。
茜の体が一瞬、ビクリと震えたがそのまま寝入っている。
狼牙はシャワーを浴びて身支度を済ませるとキッチンへ向かった。
久しぶりに気力が充実した朝を迎え、朝食作りにも気合が入る。
今朝は、だし巻き卵、焼き鮭、けんちん汁、白菜の浅漬け、自家製梅干しを用意する。
ちなみに、だし巻き卵とけんちん汁にはドラゴン出汁を使用する。
出汁をとって1週間経つがベルが言うには、年単位で腐敗しないとのことだった。
匂いに釣られて、雌ゴリラがタンクトップとスパッツ姿で現る。
続いて白虎とバステト、五虎将、六花、ベルと茜がほぼ同時に席に着いた。
皆は久しぶりの手の込んだ食事に舌鼓をうって、たいへん喜んだ。
今日、白虎、バステト、ベル、五虎将が異世界へ戻る。
門まで見送りの為に六花が付き添った。
「六花よ、達者でな。こちらの世界が窮屈と感じたらいつでも儂を頼ってくれて構わん。ではさらばだ!」
「みんな!とっても楽しかったし!また遊ぼうだし!じゃーねー!」
「短い間でしたが皆さんと一緒できて楽しかった!またね!」
白虎、バステト、ベルが一人一人とハグを交わし門の向こうに消えていく。
「我らの美しく愛しき花よ、ありがとう。この思い出は一生の宝だ。
いつまでも美しく咲き誇れ六花の美姫よ。いざさらば!」
五虎将は六花に触れることなく門に消えていった。
「なんだ、あいつら?臭いセリフ残していって。
ん、お前らなんか隠してるな?なんだよその小動物を見るような目は!」
癇癪を起した茜を夜花子が抱き上げ、みんなで囲んで頬を擦り付けた。
「狼牙さん、お願いがあるの。この看板を道場に返したいから、街まで送ってもらえる?」
「なんだ蒼、せっかく道場破りして手に入れたんだ返す事はあるまい。」
ダイニングでくつろいでいた伊勢が身を乗り出した。
「なんか、このまま持っていても邪魔かなって。」
「うん?まあそういうことなら仕方ないか。よし私がクルマを出すよ。
狼牙は支度があるから忙しいだろ。」
「ああ、助かる。任せるよ。」
キッチンから狼牙の声が聞こえた。
「なら、私らも一緒に行くよ!」
いつか邪魔されたベイビー達とのデートをやり直すことになった。




