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六花と槍の物語  作者: hiddenkai
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第29話 金龍拉麺と呪いの解呪

8月になり雌ゴリラがドラゴンを連れて帰還した。

戍亥夫婦は魔王首都に残り、組合連合幹部と親善大使迎え入れ準備のため、引き続き逗留となった。


「皆さん!初めまして!白竜のベルと申します!」

大浴場で見事なプロポーションを、隠すことなく仁王立ちになりになり、ポーズをとって挨拶をする。

黒いショートボブとキュートな顔立ち、頭に白い角がちょっこと顔を覗かせている。

細い体と長い手足は白陶磁のように滑らかで、肌荒れや黒子一つ無い。

下品に見えない程度の大きさの乳房には、薄ピンク色の乳首が上を向いて存在をアピールしている。

そして、股間には陰毛が生えておらず、割れ目はぴったりと閉じて一本の筋になっていた。


「なんか人形か、アンドロイドみたい。」

蒼の呟きにベルが反応して早口で捲し立てた。


「そうなのよ!この体は作り物なの!人の男の欲望の権化よね!

実はこの体はあまり好きじゃないのよね!出来すぎで人工物っぽいでしょ!私としてはもっとだらしない体がいいって提案したのよ!

乳房が垂れて、左右の大きさが違くて、乳首も黒くて乳輪が大きいの!背中とか二の腕がダルンとしてて、ウェストが無くて、下腹の肉がパンツからはみ出てて、陰毛はへそから尻穴までボーボーで、小陰唇はドドメ色で肥大して玉袋みたいにデロンとはみ出てるの!もちろんお尻は大きくて、垂れてて、普通サイズの男性器じゃ寝バックしても、先っちょしか入らないの!それ位リアルな造形の方が受けるって!」

お湯を吐き出すライオンの頭の上に片足を乗せ、ピタリと陰唇の閉じた股間を曝け出し、ベルはグヌヌと気張った。


「そうだな、尻のでかい女を寝バックで責められんチ〇ポは必要ないな。」

心の琴線に響いたらしい伊勢がボソリと呟いた。


「ベイビー、今日は早く寝てね!お願い!」

山城の湯あたりと別物の顔の火照りが見える。

いつもなら六花を抱きかかえて、慈母モードになっている筈だが、どうやら溜まった欲求を今夜解消するらしい。

六花は肩を竦めてウンウンと返事をした。


「あの、ベルさんはドラゴンなんですよね?

元の姿に戻れるのですか?」

萌葱の質問されると、周りをキョロキョロと見渡し「ウン」と頷く。


「リクエストにお応えして、本体をお見せしようと思います!

この広さなら大丈夫!」

眩い光がベルから発せられると、人のシルエットが解け、体長7m、体高3mの真っ白な鱗を持つドラゴンが現れた。


「うわー!すげえ綺麗!」

「きゃあ、可愛い!!

茜と桔梗がベルの姿を見て歓声を上げる。

機嫌を良くしたベルは首を湯につけ、六花の元に寄った。

興奮した六花に触りまくられベルはとても嬉しくなった。


翌日の朝、艶々の雌ゴリラと対照的に、やつれた狼牙が目玉焼きのみを作って、「朝食だ」と言って並べて自室に帰っていく。


「ちょっとやり過ぎたかしらね?」

「かなり絞り上げたみたいですが、獣化しませんか?」

あまり反省していない山城の発言に、夜花子は心配になって声を掛けた。


「いやぁー向こうでイイモン手に入れちゃってさ!」

扶桑が青い液体の入った小瓶をテーブルの上に置いた。


「これを一滴飲むだけで、諸々のモンが回復するのよ!

結構な値段だけど、元は取れたわ!

あなた達にもいずれ必要になると思うから、ここに常備しとくわね!」

六花は狼牙の複上死を本気で心配した。


朝食が済むとドラゴンの出汁取りが始まるのだが、ベルから先に済ませておきたい事があると、待ったが掛かった。


「麺を作る時間を頂戴。それと材料を揃えて欲しいの。

小麦粉、かん水無ければ重曹、水、塩よ。」

「えっと、麺?を作るの?なんで?」

「拉麺を作るに決まっているじゃない!」

出汁と麺作りが結びつかない六花は、とにかく材料を揃えた。


上半身にさらしを巻き、ねじり鉢巻きのベルが、キッチンの麺打ち台の前に立つ。


「いい麺打ち台ね!気に入ったわ!」

たまに狼牙が蕎麦打ちする台に手を着け、何やら話しかけている姿を見て、珊瑚がヒエッと声を上げた。


用意した材料の匂いを嗅ぎ、小指につけ味を確認する。

ハッ!と声を上げると、次々と材料を混ぜ合わせ、玉にするとこね始める。

こねる腕の太さが倍以上に膨れ上がる。

体から湯気が立ち上り、汗の雫が生地に吸い込まれていく。

衛生的にどうなのだろうかと、六花に不安がよぎる。


「でもさ、ベルっちの出汁を飲むんだろ。」

「そう言えばそうね。」

茜の一言で、みんなの不安が払拭された。


「ふー!いい生地ができたわ!」

生地を冷蔵庫で寝かせている間に、出汁取りが行われる。

生憎ベルが入るほどの鍋が無いので、自衛隊の給食設備を借りることとなった。


人が1人が入れる大鍋に、湯がグラグラと煮立っている。

ベルはみんなの前で全裸になると、ピョンとジャンプして、熱湯の中にダイブする。

六花は恐怖のあまり目を瞑った。

ジャボン!と音がして、しばらくするとベルの鼻歌が聞こえてきた。


「いい湯だわ!昨日のお風呂が温すぎたから気持ちいい!」

ベルは大鍋の縁に頭を乗せ、白い桃のようなお尻をプカリと浮かべた。


「ベルっち!熱くないのか?!大丈夫なのか?!」

「茜、大丈夫よ。ドラゴンにとって100度のお湯は、39度位のお湯程度なのよ。ああ、気持ちいい!」

ベルは体の隅々まで手で洗い、漉くった湯を一口含んだ。


「うーん、コクが今ひとつね。

ねえ、さっきのイケメン連れて来てくれない?

それと、ペンと書けるものを頂戴!」

夜花子と蒼が狼牙を呼びに、山荘に走っていく。

萌葱と桔梗は作戦指揮所へ向かい、ペンと紙、ボードを借りてベルに渡すと何やら思い出しながら書き始める。

夜花子と蒼に引っ張られフラフラの狼牙が現れると、ボードを渡し読み上げてほしいと願った。


「まあ、いいけど。なになに。」

ボードを見ていた狼牙の腑抜けた顔が、みるみるうちに真剣になり頬がピクピクと痙攣を始めた。


「思い切り感情を込めてね!わたしを本当の恋人のように思わなきゃだめよ!あなたの本気度で彼女達の運命がきまるのよ!がんばって!」

ベルは狼牙を見てニヤニヤとしながら注文をつける。

狼牙は目を瞑り、ひとしきりブツブツと呟くと決心を固めた表情で、ベルの前に近づいた。


「この大勢の人の中、たった一人宝石のように輝くあの美しい人」

狼牙が声を凛と張り上げ、朗々と恋人へ送る愛の言葉を読み上げ始めると、周りにいる六花と雌ゴリラが目を閉じ聞きほれてしまう。

狼牙の甘い恋の調べがイケボと融合し、破壊的な波長となって女達の脳を激しく揺さぶる。

やがてその波長が子宮に届くと、誰もの愛液がとめどなく溢れだし、ショーツを超えて内腿に流れ落ちた。


雌ゴリラ達の股間から溢れ出た体液が、スパッツ越しにボタボタと垂れて水溜まりを作る。

やがて膝をガクガクと震わせ、尻を上げた状態で地面に突っ伏す。

朗読が終わるまで、アヘ顔で体を痙攣させ激しく体液を噴出し続ける。

狼牙のイケボ攻撃は、雌ゴリラを触れることなく行動不能に至らしめた。


六花は顔を真っ赤にし、他人に聞こえそうなくらい鼓動を高めている。

普段から狼牙に褒めて貰ったり、愛の言葉をかけてもらっている六花はまだ免疫があり、即行動不能とはならなかったが、子宮の疼きが男を欲しているのを自覚していた。


ここに生還してからSEXおろか、キスもしていない血気盛んな少女達の「したい」気持ちが、今にも弾け飛びそうな風船のように膨らんでいる。

少女達の手は無意識に性器を愛撫していた。


一度「イク」だけでは収まらず、続けて何度も果てる。

狼牙の朗読が終了した時、六花は全員失神していた。


「いや驚いた!狼牙よ!おまえにこんな特技があるとはな!」

白虎に肩を叩かれ、周りの状況に気がつき唖然とする。

六花、雌ゴリラのみならず、バステトと立ち合いをしていた女性自衛官も、体を痙攣させながら体液を漏らし続けていた。


「ありがとうぅ、いい出汁がとれたわぁ。」

ベルは湯の中で激しく痙攣を続けながら、狼牙に礼を言うと湯の中に沈んでいった。


「さてと、後片付けがたいへんそうだの。」

白虎は金剛力を発動すると、あちちと言いながら大鍋の底からベルを掬い上げる。

その後、五虎将を呼びつけ失神した女性陣を運び、大鍋を4人がかりで山荘へ持ち帰った。


お風呂タイムを経て、すっかり元通りになった女性陣総出で、出汁を慎重に一滴の無駄も無く寸胴鍋や保存容器に移し替える。

ドラゴン出汁は現代では計り知れない価値を持つ。

医療、美容、健康どの分野においても、革新的な進歩をもたらすであろう。

各研究機関から送られてきた保存容器に詰められた出汁が、自衛隊員の手によって次々と運びだされていった。


「さあ、拉麺をつくるわよ!」

ベルが冷蔵庫に寝かせていた生地を取り出し、慣れた手つきで麺を作り上げると、てぼに麺を投入してスープ作りを始める。

持参してきた瓶からスープの素を、拉麺どんぶりにほんの少量垂らし、出汁を入れて撹拌する。

茹で上がった麺を湯切りして、次々とスープの入ったどんぶりに投入して、出来上がった拉麺はかけ拉麺というべきシンプルなものだった。


「金龍拉麺お待ちどー!」

黄金色のスープと麺のみの拉麺、芳醇な香りが鼻腔を刺激し涎が溢れ出てくる。

まずは六花の分が提供され、それぞれがどんぶりを持って食堂のテーブルに着くと「いただきます!」と言って、拉麺をすすりだす。

口に入れた瞬間、この世のうま味を全て凝縮した味の暴力に、舌が無抵抗降伏をした。


六花は何もしゃべらず、ただひたすら麺を啜り、スープを啜る。

やがて六花の体から黒いモヤが立ち昇り始める。

モヤは麺をスープを飲み込むたびに大きくなり、苦し気に蠢く。

そして全てを食べ飲み干した時、モヤは雲散霧消した。


「呪いは解呪されたし!おめでとー!」

バステトがパチパチと手を叩くと、白虎も拍手をして祝福した。


「これで、あの痛みから解放されたのね!」

萌葱の嬉しい叫びに続いて六花は万歳をして喜んだ。


「味はどうだったかな?」

「ベルさん!最高です!あんな美味しい物、初めて食べました!お替りください!」

蒼がどんぶりを掲げると、すぐにみんながどんぶりを掲げた。


「よし!でもちょっと待っててね!ここにいる全員に食べてほしいからね!食べに来た客には必ず金龍拉麺を提供するがうちのモットーだからね!」

それを聞いた五虎将から、「やったー!」と大きな歓声が上がった。

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