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六花と槍の物語  作者: hiddenkai
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第104話 病める五令嬢~増えた7つ絆~

瞬間移動で我が家に到着すると全員で輪になり諸手を上げて成功を祝う。

早速お祝いのパーティーを開こうということになり、調理場に向かおうとした矢先に萌葱から待ったがかかった。


「みんなスマホの電源を入れて!すぐよ!」

すでに電源を入れた萌葱のスマホからLINEの着信がひっきりなしに鳴り響いていた。


「ウオッ!令嬢達から病みメッセージの荒らしだ!」

六花全員に誰からでなく5令嬢全員からメッセージが届き、その内容が「誰か既読を付けて!」「ブロックされているの?!」「会いたいの!」「もうダメ!気が狂う!」「会いたい会いたい会いたい」時間が経つにつれ内容は一層深刻さを増していた。


「今日は既読をつけないほうがよかったのかしら・・・」

「時間が時間だしもう薬で眠らされているんじゃない。」

萌葱の心配をよそに蒼が楽観的に答えるがそんな事はなかった。


「ジリリリリリリリリッ!」

薄葉亭の呼び鈴が鳴り玄関のガラス戸をバンバンと叩く音が聞こえる。


「ああ、帰ってくるのを待ってたのかぁ・・・」

夜花子が肩を竦めて玄関に向かい「どなた様?」と声を掛けると、5令嬢が一斉に名を告げ「早く開けて!」と懇願してくる。

後で爺や達が節度ある態度を求めているが全く聞き入れていなかった。


「はーい!ちょっと待っててね。」

ガラス戸の向こうで「夜花子!」と叫ぶ京極 恵三子の声が聞こえる。


(おかしいなぁ、あんなキャラじゃなかったのに。

そもそも綾小路がパートナーじゃなかったっけ?)


たてつけの悪い引き戸をガコガコとさせながら腕が通る位の隙間が空くと、突然数本の手が差し込まれ夜花子の心臓が跳ね上がった。


ガタゴトと音を立てて引き戸が少しづつ開かれていく。

やがて京極が隙間にねじ込むように顔を見せ夜花子を見るとニタァと笑った。


「夜花子が・・・いたぁ!」

夜花子は自分の目を疑う。

ふくよかで賢そうな面影が消え、目は窪み真っ赤に充血し、真っ黒なクマで縁取られている。

頬はコケ、顔色が白を通り越し青黒い。

髪はかき乱したのかボサボサで所々白髪化している。

身体は明らかにやせ細り、突き出した腕に血管が浮き出し、咬んだ爪がボロボロになっていた。


「ゾ、ゾンビィー!」

オカルト嫌いな夜花子は悲鳴を上げて後ずさると尻もちを着く。

京極は目と口をカッと開き夜花子に飛びついた。


「夜花子!夜花子!夜花子ぉぉぉ!」

雄たけびを上げ圧し掛かると唇に貪りつき舌をねじり込んでくる。

猛烈勢いで舌を吸われ舐め回している最中に突然クタッと脱力し気絶した。


「夜花子様!たいへん申し訳ございません!」

京極の御庭番・真田が申し訳なさそうに頭を下げると恵三子を引き剥がした。


夜花子と真田が居間に入ると惨劇が鎮まったようで、それぞれの御庭番が令嬢を引き剥がしているところであった。


「伊賀爺ちゃん!寿子どうなっちゃたんだ?!」

「禁断症状でございます、茜様。」

西園寺の御庭番・伊賀は寿子を寝かせると正座をし両拳を畳について頭を下げる。

財前の御庭番・甲賀、伊集院の御庭番・柳生、綾小路の御庭番・風魔、そして真田が一列に並び伊賀に倣った。


「皆様が旅立たれた後3週間ほどは健気にも気丈に振る舞われておりましたが、その後禁断症状が現れ部屋に引きこもるようになり、皆様のお姿を眺めては毎日数十回の自慰をするようになりました。」

あのやつれようはそれが原因かと六花は納得した。


「お食事も禄に摂らず風呂にも入らず誰も部屋に入らせないようになり、ほとほと困り果てていたところに、昨日のライブをご覧になられ狂われてしまいました。」

正気を失っていたのはそのせいかと六花は納得した。


「すぐにでも会場に行くと言い出しましたが、とてもあの群衆の中に連れ出せる状態ではなく、ご本人達も動ける体力が残っておりませんで急遽栄養剤やら興奮剤を大量に飲まれ、更に精神状態の悪化を招く始末。」

ゾンビ化したのはそのせいかと六花は納得した。


「LINEをしても既読が付かずいよいよ死ぬと言い出しまして、仕方なくこちらへお連れした次第でございます!

皆様!生い先短い爺の願いを叶えると思ってお嬢様をご寵愛ください!

どうかどうか!」

御庭番5人が額を畳に擦りつけて懇願する。

六花は慌てて土下座を止めさせた。


(胞子を植え付けるのが一番手っ取り早いと提案します。やってしまいましょう。)

アルジーが妙に乗り気だが悪意は微塵もない。

それどころか地球人類の文明レベル向上の足掛かりになると息巻いている。


萌葱(文明レベルが向上するとどうなるの?)


アルジー(異星間文明との対等な接触が可能となります。)


蒼(ああ、アンドロメダ星人とかドラコニアンとかね。)


茜(E・Tとかリトルグレイだな!)


アルジー(そうです。彼らは秘密裏に地球を監視・保護または実験・隷属化を行っています。皆さんが良く知る物語の宇宙人は地球に有効的な異星人がクリエイターにビジョンを見せ写実化したイメージです。)


珊瑚(友好的でないのもいるわけね。)


アルジー(はい。皆さんが度々戦われる邪神と呼ばれる者は悪意のある異星人と認識してよいでしょう。)


桔梗(道理で科学式と魔法が似通っているわけでちね。)


アルジー(そうです。邪神の超高度な科学を理解できない人間は魔法として認知しました。そして桔梗のような知恵ある者によって魔法が作られた経緯があります。)


夜花子(アルジーは人類の文明レベルを上げて対等にしたいと考えてる?それって今の人類に可能なの?)


アルジー(悪意ある異星人によって地球人は洗脳され思考を誘導されています。資本主義・共産主義・宗教など権力者に力が一極集中する仕組みを選びそれに隷属するようにです。

彼らにとってシビリアンコントロールが容易い理想的なシステムです。

そして隷属する者達は国首・政治家・投資家・資産家などが大多数で、彼らの洗脳を解かなければ進歩の大きな妨げとなります。)


茜(もしかして寿子も洗脳されてるのか?!四具祖爺ちゃんもか?!)


アルジー(寿子の洗脳は茜によって解除されました。四具祖様はそもそも人間ではありません。彼は異星人、それも邪神と呼ばれる者の一人でナイラー様も邪神です。)


六花(ええー!)


蒼(それじゃ今まで騙されていたってこと!)


アルジー(それは違います。現在彼らは力を失っており通常の人間より少々身体能力が高いだけの存在です。

また彼らの行動・言動に皆さんを騙している要素が見当たりません。

彼らの皆さんに対する愛情は真実だと結論しました。)

六花は揃って安堵の息を吐いた。


(話しが逸れましたが権力者の洗脳を解く方法を提案します。

地球人は幼少の頃より宗教的観念を強く植え付けられております。

そこで地獄の「地獄巡りツアー」を提案します。)

権力者達に地獄巡りをさせ死後自分がどのような目に会うか分からせ、洗脳を解除するという強引な手法であったが、六花は大賛成をして試しに五大財閥の頭首達を体験させようと決定した。


作戦コードネームは「さぁ、お前の罪を数えろ」と決めた。


アルジーとの今後の方針を決め目下の課題に取り掛かる。

まずは令嬢達を風呂に入れる。

1週間以上風呂に入らずオナニー三昧なので正直かなり臭う。

珊瑚を除いた六花がそれぞれのパートナーを持ち上げ風呂に向かう。

珊瑚も汗を流そうかと思った時に家の呼び鈴が鳴り響いた。


「はて?もう2時を回ってるよ。」

玄関の引き戸を開けると2人の少女が息を切らせて立っている。


「侑加に会わせてください!」

「恵三子に会わせてください!」

九条 沙也加と黒川 優が珊瑚の腕を握り泣きながら懇願した。


珊瑚は2人を居間に通すと冷えた麦茶を差し出す。

走りづめだったようで一気に飲み干すとふうと息を漏らした。

沙也加と優は側近として令嬢達の企みに参加していたが、突然連絡がとれなくなり学園にもずっと登校しない令嬢達を心配していたと言う。

そしてライブを見てもしや六花の元にいるのではと思い、自転車で訪れ送迎車を見て確信したと聞かされた。


「確かにここにいるけど会っても話しをできる状態じゃないよ。」

「姿を一目見るだけでいいんです。」

珊瑚は2人を連れて風呂場に向かう。

脱衣所に入ると悲鳴のような嬌声を聞き、沙也加と優は風呂場の引き戸を開け放った。


「な!何をしているんですか?!」

2人は六花に股間を激しく刺し突かれアへ顔の令嬢達を見て怒号を上げた。


「まあ、待ちなよ。落ち着いて。」

飛び込もうとした2人の肩を珊瑚が掴み動きを止める。

激しく抵抗するがビクともしない珊瑚に抵抗を諦めた。


「よく見てみなよ、嫌がってるように見える?」

冷静になり改めて令嬢達を観察すると皆がこれ以上無い位の幸福な笑顔を浮かべていた。


「幸せそうな笑顔、あんな笑顔今まで見たことがありません。」

黒川 優がぽつりと呟くように答えた。


「侑加はあんな顔で悦ぶんですね、私じゃあんな顔をさせることができない。」

九条 沙也加は泣きべそをかきながら呟いた。


「あなた達は彼女達のパートナーが誰だか知らなかった?」

「薄々は気づいていました。いつも六花の話をする時はとても嬉しそうだったから。」

優は悲しそうに俯き涙をこぼしはじめる。

ただの利害関係、将来の為の布石。

そう割り切って恵三子の側近となったが長く共にいることで人間性と知性に惹かれ気づけば惚れていた。


人の価値は容姿や権力ではない事を理解し、一生涯を共に生きていくと誓いを立てた日、恵三子と同衾し今まで感じたことのない快楽と幸福を感じた。


「私は恵三子のモノ、恵三子は私のモノ」

枕元で囁いたときの恵三子の複雑な表情の訳を知ったことで、優の心は砕け散る寸前になっている。

それは沙也加も同様でやはり侑加を独占したい気持ちを打ち砕かれ傷心していた。


しかし、淫らに気をやる想い人の姿を見ているうちに別の感情が湧き上がってくる。

もっともっと自分以外の人に犯される姿を見てみたい。

自分以外に汚され美しくなる想い人を見ていたい、と。


「珊瑚さん、何故みなさんにその、陰茎が生えていらっしゃるのですか?女性だと思っていたのですが。」

「ああ、あれね。」

沙也加の問いに包み隠さず真実の全てを話すと驚きながらも自分達にも胞子を放出して欲しいと頼み込んでくる。

彼女達より先に死ぬのは嫌だ、1分でも1秒でもいい共に生きて行きたいと願いを告げられた。

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