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六花と槍の物語  作者: hiddenkai
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第100話 異世界編~Rokka of Revenge~死神

(後方から巨大飛翔生物急速接近、密林の中を移動、接触まで20秒!)

茜「来た来た来たぁー!」

蒼「ギリギリまで引き付けて急上昇するよ!」

珊瑚「ご飯だから消滅させちゃダメよ!」

(カウントダウン、10、9、8・・・1!)

「いっけぇぇー!」

茜の号令で急上昇する3人の後を窪地の主が大口を開けて現れた。


茜「うおっ!でっけえ蛇!」

珊瑚「何アレ!翼が生えてるよ!」

蒼「あれはケツァルコアトル!」

(古くは人に文化・農耕を伝えたとされ、風を自在に操ると言われる空想上の超常生物です。)

アルジーの説明に「もしかして食べちゃいけない奴?」と3人が同時に思いついた。


全長30mを超えた青白い体に白鳥のような白く巨大な翼を広げ、羽ばたくことなく空を飛び追いかけてくる。

飛行速度は3人が優位で一気に引き離すと方向転換をして対峙した。


「お前に恨みはねーけどカネカネのかーちゃんの仇だ!成仏しろよ!」

茜は1人飛び出すと12分身してケツァルコアトルを包囲する。

どこを攻撃してよいか混乱するケツァルコアトルに、一斉攻撃を仕掛けボコボコに蛸殴りをする。

体全体への同時攻撃でショック死したケツァルコアトルの尾を持ち、ぶら下げた状態で一向は砦に帰還した。


持ち帰ったケツァルコアトルを見て、蜀のメンバーは揃って地に膝を着き何やら祈りを捧げる。

どうやらこの地で信仰の対象であったらしく、3人は酷く恐れられるが糾弾するものはいなかった。


困った事に罰が当たると言い出し、誰もケツァルコアトルに触ろうとしないため、3人は自らの手で解体し調理することになった。


気刀で翼を切り落し、内臓に傷を付けないように体を縦に開く。

純白の肉に真っ赤な血が鮮やかに彩り、美しさすら感じる。

湧水の水筒で血を洗い流し肉を切り分けていく。

消化器官は掘った穴に捨てていき、心臓、肝臓など食べられそうな部位は切り刻んで大鍋で香草と一緒に炒める。

大量の肉は金串に刺し焼き、塩を振り食べる。

どの部位も鳥と大差なく非常に食べやすく美味い。

そして嬉しい副次効果が発生した。


(カロリーから変換する必要のないエネルギーが大量に摂取できています。

この調子で摂取し続ければおおよそ1時間後に目標値を達成します。

摂取エネルギーは腹部に一時保管されます。)

「ちょっと待って!腹部でなく胸部にしなさい!」

アルジーは蒼の絶対に譲らない強い意志を感じ取った。


(・・・わかりました。胸部に一時、一時ですよ。保管します。)

暗に永続的でないことを強調するが蒼は有頂天で聞き流していた。


食べれば食べるほど膨らんでゆく乳房に興奮状態の3人は目標値を超えてなお食べ続ける。

目標値でCカップの乳房が全ての肉と臓器を平らげたことにより、Kカップへと変貌を遂げていた。


「凄いわ・・・下を向いても足元が見えない。

こんな光景を見ることができるなんて・・・。」

感動のあまり蒼は目汁、鼻汁を垂れ流し乳房の上にシミを作る。


「ちょっと重すぎて上手く動けねーぞ!」

乳房の重量に振り回されよたよたする茜。


「こんな乳でステージに上がったら視姦されまくりよね。」

チームKRのEカップのメンバーが愚痴るのを思い出す珊瑚。


(さあ、気が済みましたか?これから睡眠モードに移行します。

とりあえず身の危険はなさそうなのでここで寝てください。)

「ちょっと!せめてお布団・・・」

3人は糸の切れた人形のようにぱたりと倒れる。

カネカネは3人の傍に寄り添いうずくまると、鼻と耳をピクピクと動かし警戒をはじめた。


中国側アルジーは必要エネルギーの実に3倍の量を入手し、予定していたタスクを前倒しで実行しはじめる。

茜達をこのまま予定時間迄起こすことなく、時間とエネルギーを贅沢に使いまくる算段である。

アルジーは以前から興味を持っていたダークマターの存在について平行演算を開始する。

これは六花の改造に全く関係しない言わば趣味の領域であった。


結果ダークマターは宇宙膨張の因子であると結論づける。

あらゆる物理法則の概念から逸脱した力そのものであり、どの素粒子より小さく光より早く移動しブラックホールをも貫通し何者にも捕らえられない無敵の因子であるが、唯一宇宙から抜け出すことができない。

故に宇宙を過去現在未来にわたり無限に膨張させていると。


(宇宙という領域から無の領域へ抜け出すことは不可能ということですかね、いや究極まで膨らみきると何割か抜け出る可能性も捨てきれないかな、そうすると急速に収縮し点となった宇宙は再びビックバンを起こしダークマターを放出するか・・・、無に飛び込んだダークマターはどうなるのだろう・・・無に何も無い領域を作り出しているのかもしれないな。

そうして徐々に宇宙の領域を無に拡大していると思うと実に気が遠くなる作業だ。)

アルジーは実に楽しそうに宇宙とそれを取り巻く無について考えを巡らせていた。


全ての演算と肉体改造を終了させ六花を目覚めさせる。

地獄側の3人は引っ込んだ腹を見て安堵の息を漏らす。

中国側の3人は絶壁になった胸を見て悲しみの嗚咽を漏らした。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


「それでは皆様お待たせいたしました!

邪龍ファフニールを見事退治した異世界からの使者、6人の美しき英雄、六花の入場です!盛大な拍手でお出迎えください!」

司会の合図で会場の観客は全員立ち上がり拍手を始める。

そして六花の姿が見えると更に大きな拍手となり、六花コールが湧きおこり興奮が最高潮に達した。


六花は村長の用意した美しい着物で着飾り、手を振りながら満面の笑みを振り撒きながら舞台中央に立つと揃ってペコリと頭を下げる。

代表として萌葱がマイクを渡されると、会場は潮が引いたようにシンと静まり返った。


「皆さん、今日は私達に会いに来てくれて本当にありがとう!

とてもとても嬉しいです!

ささやかですがお礼の気持ちを込めて1曲歌わせてもらいます!

曲名は「恋する辻占煎餅!」

六花が舞台中央に集まりフォーメーションを組むとアカペラで歌いダンスをはじめる。

聞いたことの無い旋律と見たことの無いダンスが披露され、最初のうちは戸惑いもしたが次第に手拍子が始まり会場全体が熱気に包まれる。

曲中マイクを交換しそれぞれが生歌と一糸乱れぬシンクロダンスを披露し終えると会場は再びのクライマックスを迎えた。


鳴りやまない拍手と六花コールに応えるように、手を振り投げキスを振りまく姿に老若男女問わず魅了されていた。


「みなさーん!私達は今日でさよならですけど、覚えていてくれると嬉しいです!

また、きっと戻ってくるから楽しみにして待っててね!」

「バイバーイ!」

萌葱の後に全員で別れの挨拶を告げると姿が忽然と消える。

突然の出来事に会場が静まり返り、閻魔が落としたしゃくの乾いた音が鳴り響いた。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


会場から四次元へと跳躍した六花は雌ゴリラの痕跡を辿る。

虚無の空間に雌ゴリラの窓を開き覗き込んだ。


砦から出発し黒幕の棲む梁山泊に潜入すると、目的の部屋までなにも障害なく辿り着く。

アタッカーの雌ゴリラが先に部屋へ飛び込み、サポーターの特殊部隊が後に続き飛び込む僅かな時間差で分断される。


特殊部隊5人は待ち伏せするチョー・チョーの巣に飛ばされ、10倍以上の人数差であっけなく捕まり凌辱された。


雌ゴリラはソファーでふんぞり返る呂威牙に攻撃を仕掛けるが、全て風の障壁に弾かれ自身も壁に打ち付けられ気を失う。

再び目を覚ました時は全裸の屈辱的なポーズで拘束された後であった。


呂威牙は雌ゴリラを殺すのではなく服従を求め、あらゆる拷問や凌辱で体と精神を責め立てる。

しかし何をされても頑なに首を縦に振らないことに驚き他者を使った方法に切り替える。

まずは特殊部隊を日に1人づつチョー・チョーに生きたまま喰わせる事にした。


「彼女達に命乞いをするんだ「助けてください、ロイガー様に忠誠を誓ってください。」とね。

彼女達が頷けば君は助けてあげるよ。」

ニヤニヤしながら血と汗と汚物に塗れたキャンティを見下ろす。

全ての歯を引き抜かれた口でニカッ!と笑うと中指を立てて「死ね」とキャンティは返した。


こめかみに青筋を立てた呂威牙が冷たい目でキャンティを見たあとソファーに座り指をパチンと鳴らす。

4匹のチョー・チョーが現れ手足を1本づつ掴むと親指から齧りつく。

指を1本づつ喰われていく恐怖と痛みの中でついにキャンティの心が決壊し雌ゴリラに助けを求めた。


「だずげでぇ!いだいのやだぁ!だべないでぇ!」

頭を固定され目を瞑ることもできない雌ゴリラは、キャンティが生きながら喰われていく様子を最後まで見続ける。


「ちょう・・・うん・・・」

死ぬ直前に漏れ出た言葉は確かに雌ゴリラに届いた。


次の日から特殊部隊員の殺戮ショーが続けられ、皆が助けを求めながら喰われていき、やがて六花そっくりの少女達が喰われ生首を晒されるに至り六花の怒りゲージは限界を突破した。


「カチコミするよ。あいつら全部抹殺する。細胞一欠けらも残さない。」

萌葱の宣言に全員が頷き、固く手を結ぶと窓に飛び込んだ。


(次元障壁を抹消します。)

アルジーは敵が転移阻害のために展開していた障壁を容易く解除する。

六花は雌ゴリラが拘束される部屋へ直接転移した。


「ママ!」

転移後すぐに桔梗が白菫花を発動し絶対防御障壁を展開する。

半ば正気を失いかけている雌ゴリラの拘束を解き、即時四次元空間へと跳躍すると狼牙の窓を開き雌ゴリラを放り込んだ。


「オワア?!」

窓を閉じる瞬間、狼牙の懐かしい声を聞きほんの少し冷静さを取り戻すと直接呂威牙の元に転移する。

四方が純白に光り輝き途方もない広さと思いきや、とてもこじんまりとした部屋の中央にロイガーは立っていた。


「なんともお行儀の悪い娘達だ、個人のプライベートルームに許可無く入り込むとはね。

きついお仕置きをしてあげっ!」

ロイガーが喋っている間に白菫花の絶対封殺の障壁が展開されると、紅緋花の全属性魔弾波動砲、黒雷花の収束黒稲妻、天炎花の収束業火が間髪入れずに放たれロイガーに命中する。

人の攻撃は無効化するという神性で守られたロイガーは避けようとせず直撃を受け誤った判断を後悔した。


悲鳴を発することもできず1度目の攻撃で霊体の3割を抹消される。

御霊を切り離そうとするが障壁に阻害され失敗し、続く2、3回の連続攻撃で9割を抹消された。


「チャカ組は弾切れ!ステゴロ組トドメよろしく!」

蒼が叫ぶと待ってましたと言わんばかりに萌葱と茜が瞬間移動で間合いを詰める。

ロイガーは攻撃が途切れた僅かな時間で次元跳躍による逃亡を企てるが障壁阻害と瞬間移動により好機を失う。

瞬時に現れた萌葱と5cmの距離で目が合う。

そして少女の瞳の奥に自分達とは系統の違う神の姿を見る。

それは死神と呼ばれる神さえ死をもたらす概念。

同時に全ての事象を凍結させる翠青花が発動し時間が停止する。

止まった時間の中、紅雷花を纏った茜の360の分身がロイガーを360度取り囲み直撃した。


0.1秒にも満たない数瞬がロイガーには永遠に感じられる。

業火と死雷が残った霊体と御霊を抹消し、ロイガーという概念は全ての宇宙と次元から消滅した。

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