1/1
はじまり
私はぬかるみをなぞるように地下室を歩く。
鼠が駆け抜ける感覚が気持ち悪い。
目的は地下の巨大な金庫。
そこに行けば大量の呪具がある。だが道のりはかなり長い。汗で服はベタベタになるし、汚い水は長靴に染み込む。
なんだ?何か微かな物音がした。鼠が這う音ではない。
誰だ、この地下室にいるということは確実に侵入者だ。
私は少しずつスピードアップした。
鍵を握りしめ、気を引き締め走る。心臓が凄まじい早さで鳴り響く。
相手は人だろうか。一人で地下室にいる目的はなんなんだろう。汗がひやりひやりと額を這いずり回る。
殺気を感じた瞬間、鉛だまが目の前を通りすぎた。
目先の排水溝に弾が穴を開けた。
鉛だまの先を私は睨む。
人影がチラチラ見えた。
私「私を東山の当主と知っての行動か!侵入者!正々堂々と戦えないのか」




