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Rolling Cabbeges
渦について知っているロールキャベツは、話しかけられた中には居なかったが、最近僕のようなタネが相次いで特定の方角へ向かっている姿が目撃されているという。ちくわの様だが、明らかに異なるタネが……
かんぴょうが結ばれていたりいなかったり、爪楊枝が刺さっていたりいなかったり、多様な姿のロールキャベツは個体識別も容易く、比較的短期間で随分と仲良くなれた。名残惜しい別れを経て、しかし僕は一人で例の方角へと出発することにした。もう二人旅はこりごりだ。筒を絞って、孔の海水を噴き出した。